Sustainability Frontline
ユニリーバ、サステナビリティ関連のブランドが急成長
写真:ユニリーバ ツイッター
2010年、ユニリーバは
環境負荷を減らし、社会に貢献しながらビジネスを成長する戦略
ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン(USLP)を導入しました。
USLPでは、「衛生・健康」「環境負荷の削減」「経済発展」の3分野で
50以上の数値目標と達成期限を掲げています。
5月に発表されたUSLPの進捗報告では
Ben & Jerry’sや DoveなどUSLP関連のブランドが
2016年のユニリーバの成長の60%を占め、
その他のブランドに比べて2倍のスピードで成長していることがわかりました。
また、2016年のユニリーバのトップブランド40のほぼ半分は
USLP関連のブランドで構成されています。
とくに、Sunlightブランドは
途上国で手洗い用の泡切れのよい洗濯洗剤を販売することで
干ばつ地域の水使用量や、女性が洗濯にかける時間の削減に貢献したことが注目されました。
2016年だけで市場シェアを2.6%伸ばし、
ホームケア業界全体でも、P&GのDownyを抜いて成長率トップを記録しています。
(Kantar world panel レポート2016 P33)
グラフ:Kantar Worldpanel 2016より
ユニリーバの調査では、
30%以上の消費者が買い物の際に社会・環境への影響を配慮しており
20%の消費者が今後そのような意識を取り入れる意思があることから
消費者目線でも、社会・環境への取り組みの必要性が高まっていくことを指摘しています。
ユニリーバ・サステナブル・リビング・プランのこれまで成果をいくつか見てみると
・再生可能エネルギーの使用比率を全体の30%以上にし、
調達全体の50%以上をサステナブル調達に切り替えることで事業リスクを削減
・2008年以降、廃棄物削減など工場で進めた環境取り組みにより
7億ユーロ(約875億円)のコストを削減
・社会へのインパクト面では538万人の衛生環境を改善し、
サプライチェーンに関わる92万人の女性向けのスキル向上等の支援を実施
などが挙げられます。
80%以上の目標が順調に進捗中または達成済で
このまま進めば
2020年までにほぼすべての目標を達成する見込みです。
(全体の進捗状況はこちら)
CEOのPaul Polmanは
「これまでの経験で、サステナビリティへの需要に応えられるブランドは
より安定した、迅速な成長をすることがわかった。
社会・環境への取り組みが、事業に対する信頼向上、
イノベーションの促進、サプライチェーンの強化、
事業リスク・コストの削減につながり、ユニリーバの競争率を高めていることは明らかだ。
引き続き、SDGsとも沿った新しい形の成長を実現していく」
とコメントしています。
参照:
https://twitter.com/Unilever
http://www.triplepundit.com/2017/05/unilevers-sustainable-living-brands-grew-faster-rest-business/
http://www.brandchannel.com/2017/05/24/unilever-sustainable-052417/