5年後 石炭火力は時代遅れになる

2017 / 2 / 24 | カテゴリー: | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

デンマークのエネルギー企業DONG Energyは
2023年までに石炭火力による発電から撤退すると表明しました。

DONG Energy to stop all use of coal by 2023
http://www.dongenergy.com/en/media/newsroom/news/articles/dong-energy-to-stop-all-use-of-coal-by-2023

同社は国内の電力供給の半分弱、熱供給の1/3を占める、
デンマークの主要エネルギー企業です。

2006年から石炭火力の削減に着手し、
すでに73%を減らしてきました。
バイオマス発電に切り替えるほか、洋上風力を推進して
再生可能電源への移行に取り組んでいます。

リリースによると、デンマークでは過去10年で約2500万トンのCO2を削減しており、
その半分以上はDONG Energyの削減によるものとしています。

石炭火力からの撤退は欧州ではメインストリーム化しています。

昨年のCOP22に先駆け、
フランスは2023年、英国は2025年、カナダは2030年に
石炭火力を全廃することを発表しています。

(英国の全発電量に占める石炭火力比率は約30%と日本と近い状況です)

1月にはドイツ最大のドイツ銀行が石炭への新規融資を廃止し、
既存の投資も徐々に引き上げるという発表もありました。

CO2排出が最も多い石炭火力を止めることは、
環境面でだけでなく、健康面への悪影響を減らします。

さらには、排出される窒素酸化物がオゾンを生み出すことで
農作物や木々に悪影響が与えるため、
石炭火力からの撤退は農業や林業にもよいとする研究も出ています。

翻って正反対の政策を進める日本。
それでも先日、関西電力が初めて石炭火力発電の計画を
1基見直したという発表がありました。

【プレスリリース】48基中、初めての石炭計画中止~関西電力、赤穂発電所の石炭への燃料転換計画を事実上断念~
http://www.kikonet.org/info/press-release/2017-01-31/akoh-cancel

パリ協定の要請に沿った方向に、積極的に舵を切っていくことが望まれます。

このエントリーをはてなブックマークに追加