Sustainability Frontline
海洋プラスチック問題への挑戦 P&G、アディダス、ユニリーバ
太平洋に浮かぶごみの島。
その広さは日本の2倍以上。
レジ袋やペットボトルなどが流れ着くこうした
「ごみベルト」が世界の海には複数あります。
分解されず、波に洗われて細かな破片となったマイクロプラスチックも
生態系やヒトへの影響が懸念されています。
2050年には魚の量より多くなると言われる、海に漂う廃プラスチック。
今年の世界経済フォーラムにあわせて、
P&Gは海洋プラスチックを原料とした
再生プラスチックを25%含んだ商品を発表しました。
P&G’s Head & Shoulders Creates World’s First Recyclable Shampoo Bottle Made with Beach Plastic
Head & Shouldersのシャンプーブランドで使用され、
当面はフランスのカルフールで販売されます。
今後は2018年末までに欧州で年間5億本以上の容器を
再生プラスチックを最大25%含んだものにすると宣言しています。
原料となる海洋プラスチックは、市民やNGOがビーチクリーンなどで集めたもの。
つまりサプライチェーンの上流がボランティア活動になるということです。
他にも、日用品メーカーやアパレルを中心に海洋プラスチックへの
取り組みが始まっています。
アディダスは海洋プラスチックを原料としたウェア(100%)やシューズ(一部)を開発。
シューズは2017年には100万足を販売する計画です。
ユニリーバは、2025年までにすべてのプラスチック容器を
リユース・リサイクル・生分解可能なものにすると発表しています。
現在は14%しか回収されていないプラスチックですが、
戦略的な行動を起こすことで70%まで回収率を高められるとのレポートが
世界経済フォーラムとエレン・マッカーサー財団から出たばかり。
The New Plastics Economy: Catalysing action
ちょうどメーカーの方と、樹脂の価格が大幅に下がり、
再生樹脂を推進する動機が弱まっているという話をしていた直後に
このニュースを見たこともあり、すごく興味を惹かれました。
プラスチック問題に関する最新の動きを把握されたい方は、
是非チェックしてみてください。