Sustainability Frontline
どうする? 中小企業のCSR 私たちの場合
photo by Crispy
私たちは普段、主にグローバルに展開している大手の企業さんと
CSR・サステナビリティに関する仕事を
ご一緒しています。
ですが、たまにふと立ち止まって考えることがあります。
では、自分たちはどこまで実践できているのか?と。
組織の規模の大小問わず、
社会において果たすべき責任、
また持続可能な社会と組織を目指す上で取り組んでいくべきことは
たくさんあります。
やはりCSR・サステナビリティを語るのであれば、
自身もしっかり実践していかないと説得力もありません。
では実践する上で何を参考にしたらいいのか?ですが、
・情報開示に関するガイドライン GRI
・組織の社会的責任に関する国際規格 ISO26000
などは内容が専門的で、ボリュームも多く、
小さな組織にはハードルが高いと思います。
小さな組織にも参考になり、とっつきやすく、
そして私たち自身も実際に参考にしているのが、
法政大学の坂本教授たちのグループが、
「人を幸せにする経営」を実践している中小企業の経営を
100の指針にまとめたものです。
構成は以下の10章。
1章 社員に関する指標
2章 社外社員(仕入先・協力企業等)に関する指標
3章 現在顧客と未来顧客に関する指標
4章 高齢者・女性・障がい者に関する指標
5章 経営者に関する指標
6章 社員の確保・育成・評価に関する指標
7章 福利厚生等に関する指標
8章 社会貢献に関する指標
9章 中長期経営計画・経営理念等に関する指標
10章 経営全般に関する指標
環境の視点は少ないですが、
日本的な企業カルチャーに沿った内容になっていて、
取り入れやすいのではないかと思います。
●B Impact Assessment
もう1つが、米国のNPO B Laboの認証制度B Corporationの
認証基準であるB Impact Assessment。
※B Corporationについてはこちらを参照
ガバナンス
労働者
コミュニティ
環境
の4つの分野に分かれていて、全部で200点満点。
80点以上を獲得できれば、B Corporation認証を取得できます。
今年日本でも初めて3社が認証を取得しました。
基準は英語ですが、こちらの記事で一部を内容を紹介しています。
「B Corp Assessmentから読み解く 持続可能な企業の要件」
米国発の基準ということもあり、
対象とする社会課題や経営の考え方が米国的ではありますが、
参考になる点が多くあります。
上記の指標を参考にしながら、私たちの組織でも実践をしていくべく、
KPIを策定したり、施策を検討したりと、色々と試みているところです。
実際にやっていて感じることは、
すべてを厳格に達成しようとすることは現実には難しく、
また指標はあくまで達成状況を測る基準でしかないということです。
やはり小さな組織にとって大切なのは、
その指標の背景にある課題や考え方を理解したうえで、
関係するステークホルダーも含む自社にとって
本当に大事なことは何か重要な課題(マテリアリティ)を見極めること。
そしてそれを企業の理念や行動指針に明確に位置づけ、
一貫性を持って日々の活動に落とし込むこと。
ではないかと思います。
私たちも上記の基準を参考にしながら、引き続き取り組んでいきます。