Sustainability Frontline サステナビリティをカタチに
消費者の選択は? ウォルマートの「サステナビリティ・リーダー」ラベル
持続可能な調達に関するISO認証20400や
東京オリンピックの調達方針の計画策定を間近に控え、
「CSR調達」に対する関心の高まりを感じます。
一方で、企業にとって無視できないのが、
「持続可能性に配慮して調達・生産したとしてちゃんと消費者に買ってもらえるのか?」
という点。
その観点で私が注目している取り組みが、
ウォルマートの「サステナビリティ・リーダー」ラベルです。
http://www.walmart.com/cp/1229461より
これは2015年に同社がスタートした認証制度で、
サステナビリティに積極的に取り組んでいると評価されたサプライヤーは、
製品に「Sustainability Leaders」のラベルを貼れるというもの。
ただしポイントは、ラベルにある「made by」という言葉。
商品そのものの環境・社会的影響を評価しているわけではなく、あくまで
「積極的に持続可能性に取り組んでいる製造者(ブランド)によって作られました」
ということを示すものです。
ウォルマートは2009年に大学や大手企業、NGOが参加する
第三者機関The Sustainability Consortium(TSC)を立ち上げ、
商品の持続可能性を評価するインデックスの開発に取り組んできました。
TSCのサイトでは、開発された商品の種類別の着眼点(関連する問題)や
評価ツール、KPIなどが有料/無料で提供されています。
https://www.sustainabilityconsortium.org/what-we-offer/
例:「プラスチックのおもちゃ」カテゴリーに関連する問題
http://cdn.corporate.walmart.com/fa/1c/55c284db4b37a366d78f37a43053/plastic-toys-sustainability-insights.pdf
ウォルマートでは、TSCで検討された100以上の製品別基準を元にサプライヤーを評価し、
80点以上を獲得した場合に、ロゴの使用が許可されます。
評価は毎年行われますが、結果は非公開です。
日本ではイオンのトップバリュ「グリーンアイ」のように
自社製品(プライベートブランド)の認証はありますが、
販売する他社製品を評価するものはありません。
先進的な取り組みですが、一方で、賛否があります。
特に強く言われているのが、
ラベルは製品そのものの評価ではないのに、
環境・社会によい製品であると消費者が誤解する、
ミスリードである、という批判です。
私も正直わかりにくいなと思います。
ただ、大きな方向性としては、よい一歩と感じていて、
これによって消費者が持続可能性に配慮した製品を選ぶ、
持続可能性に取り組むことは売れる、
ということが定量的に測定できるのではと期待しています。
課題も含めた取り組みの進捗報告が楽しみです。
国内でも消費者庁が「倫理的な消費」の研究会を立ち上げ、
議論が進められています。
そこでもどのような方針が示されるのか注目したいです。
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