企業に求められる水リスク管理

2015 / 11 / 10 | 執筆者:Yurie Sato 佐藤百合枝

スクリーンショット 2015-11-06 19.40.32
Photo by Moyan Brenn

世界では未だに10人に1人が安全な水を飲むことができません。
また、米カリフォルニア州をはじめ、オーストラリア、中国など世界で干ばつが深刻化しており
2015年の世界経済フォーラムでは、水危機が、気候変動や国家紛争を上回って
今後10年間で世界への影響が最も大きなリスク」に挙げられました。

これから人口増加などによりますます供給の制限が予測される水資源は
多くの企業の生産活動や原材料の生産に影響を与えるため
企業の水リスク管理に対する投資家の目は年々厳しくなっています。

そんな水問題について学ぶために
10月に「JAPAN Water Style」サミットwith「CDP’s Global Water Forum 2015」に参加し
企業の取り組みや、それを評価する世界的投資機関の視点、CDPの2015年報告について聴いてきました。

私が特に面白いと思った点は、
・多くの会社が、水リスクはサプライチェーンにあることがわかっていながら、本社での取り組みしか行っていない。

・サプライチェーンや海外生産拠点の管理が課題である企業が多く、
これからは、特に腐敗が深刻な途上国での水利用に関してどのように確実な調査を行い
その結果を保証するかが鍵になる。
(登壇していた企業のひとつでは、海外の生産拠点向けに行ったアンケートで水リスクの問題がなかった生産地で、
突然水の使用がストップするかもしれないという連絡があったそうです。)

・EUでは近年水道代が上がっているため、企業や投資家だけでなく
個人でも水不足に対する意識が高い。
また、水不足になったときにアフリカ大陸などから難民が増えるのではないかと感じている人も多く、
市民レベルの危機感は日本とは比べものにならない。

・アフリカなど一部の地域では、企業の調査が政府よりも進んでいることがあるため、
地域の水リスクに関する情報を現地政府に共有をすることでも貢献ができる。

・節水の呼びかけや啓発では行動まで変えられないため、快適に使いながら節水できる製品や、
知らないうちに節水できる製品をつくることが大切。(例 TOTOのAir in showerなど)

・いままではいかに水の使用量減らすかに焦点があてられていたが
これからはそもそもその商品になぜ水が必要なのかがポイントになってくる。
(たとえば、水を使わず、微生物で排泄物を分解するトイレの開発など)

・日本コカコーラの「森に学ぼうプロジェクト」のように
自然について学びながら間伐などの森林保全活動に参加ができる
「教育とアクション」が一緒になった取り組みが増えている。

CDPを通して企業に水関連データの情報開示を求めている投資家の数は、
この2011-2015年で4倍に増えました。
2015年8月には、総計2.6兆米ドル以上の資産を運用する欧州・北米の60以上の機関投資家が、
水リスクの管理と情報開示の強化を求める文書を食品飲料企業15社に送付するなど
直接的な働きかけするケースも出てきています。

このエントリーをはてなブックマークに追加

Sustainability Frontline もっと学びたい方へ

この記事で取り上げたテーマについてより詳しく知りたいという方は下記よりご連絡ください。より詳しい内容理解 / 勉強会でのライトニングトーク / 社内セミナーでの話題提供など、一緒に学びを深める機会を作っていきたいと思います。

お名前
メールアドレス
企業名、団体名
詳しく知りたい内容など

プライバシーポリシーに同意する