Sustainability Frontline
これが私たちの人材力! Allianzの人的資源ファクトブック
photo by Larry Medeiros
優秀な人材を引き寄せ、つなぎ留め、
働きやすい環境を提供することで、
いかに高いパフォーマンスを発揮してもらうか―
人材獲得もグローバルで競争が進むなか、
企業の成長性をみるうえで、そこで働く「ヒト」への注目が高まっています。
それに対応する形で、自社の「人的資源」に焦点をあてて、
情報開示を行う企業も目につくようになりました。
その一例が、世界最大の保険会社であるドイツのAllianz(アリアンツ)。
自社の従業員に関するデータをまとめた
「人的資源ファクトブック(Human Resource Fact Book)」を発行しています。
「従業員構造&ダイバーシティ」
「働きやすさ」
「教育・能力開発」
「報酬・成績」
「魅力ある企業」
「従業員との関わり合い」
の6つのパートで構成されており、中を見てみると、
地域ごとの年齢層や(新興国は若者比率が高い)
従業員のパートタイム比率(12%)
さらには平均在籍年数(平均は11年。長い?短い?)
(いずれもHuman Resource Fact Bookより)
と、様々なデータを見ることができます。
「ファクトブック」なので当然ファクトが中心なのですが、
日本の従業員関連の発信では、現場の従業員が登場して
「いかに働きやすいか」「どんなやりがいがあるか」
を語る内容になりがちな点と比べると、対照的です。
ヒトに焦点をあてた「ダイバーシティレポート」を見比べてみても、
日本企業と欧米企業のレポートの違いは一目瞭然です。
(パラパラと見るだけでも違いをわかっていただけると思います)
・三菱東京UFJ銀行 ダイバーシティレポート2014
・三井住友銀行のダイバーシティ・レポート
・Citi 2014 ANNUAL DIVERSITY REPORT
・Walmart 2014 Diversity & Inclusion Report
「ヒト」に関する情報開示で注目したいのが、
その企業が重視している指標です。
欧米企業ではやはり、女性をはじめとするダイバーシティに関する指標と、
従業員の能力開発に投資した平均時間数や費用といった
人材開発に焦点をあてている例が目立ちます。
一方、日本企業に見られる有給や育休の取得率は、
欧米企業ではほとんど見られません。
「ヒト」に関する開示では、
自社が従業員の人権を尊重し、フェアであるか。
また自社の人材がいかに高いパフォーマンスを発揮できる環境にあるか。
それらの観点から、客観的なファクトを示していくことが重要なポイントになります。