Sustainability Frontline サステナビリティをカタチに
環境保全プログラムの価値を可視化、損保ジャパンSAVE JAPANプロジェクト
photo by Dave Dugdale
近年、企業の社会貢献活動が本業との関連性をより意識して
戦略的に行われるようになってきているなか、
活動がもたらす価値の把握・可視化(SROI:社会的投資収益率)
への関心が高まっています。
以前ご紹介したゴールドマン・サックスや刑務所の取組みのように
雇用などに直接つながる社会プログラムの評価は算出もしやすく
事例が出てきていますが、国際的にも珍しい環境保全プログラムの
社会的価値算出に今回損保ジャパンが取り組みました。
国内初、環境保全プログラムにおける社会的価値の算出~「SAVE JAPAN プロジェクト」の3年間の活動成果を見える化~
対象となったのは、同社が2011年度から取り組んでいる、
全国の環境NPOなどと協働して、いきものが住みやすい環境づくりと
生物多様性への理解向上を目指す市民参加型の
「SAVE JAPANプロジェクト」。
環境保全活動への市民参加、生物多様性への理解促進の
変化を可視化し、価値づけ、貨幣化を行っています。
SROI(社会的投資収益)は、生じた社会的価値を、
活動に要した費用で割ることで算出されます。
社会的価値は、環境保全型イベントによって行われた活動に
費やされたボランティアの労働サービスを賃金評価することや
参加NPOの新規入会者数による財政効果、
パブリシティ効果の広告費換算などを通じて算出されます。
計算の結果は、SROIは年々上昇し、取組み3年度目となる
2013年度は1.12と投資額を上回る社会的便益が創出されていることが確認されました。
「SAVE JAPANプロジェクト」の最終目標は希少生物の保護ですが、
短期的成果として保護が達成できるものではないことを考慮し、
生物多様性保全の直接的な評価は行われていません。
それでもこうして取り組みの成果が
客観的な説得力を持つ形で可視化されることで、
関係者のモチベーションにつながるほか、
周囲の理解も得られやすくなり、より一層活動が加速していくことが期待されます。
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