「休暇中のメールは削除します」 独ダイムラーの休暇支援プログラム

2014 / 8 / 27 | カテゴリー: | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa


photo by linuskendall

もうすぐ8月も終わりですね。
みなさんはどんな夏休みを過ごされたでしょうか?

休み明け。
リフレッシュして新鮮な気持ちで仕事を始めようと思っても、
未読メールの山が待っていると考えるとちょっと憂鬱・・・

誰もがそんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。

ドイツの自動車会社、ダイムラーが先日導入した
「休暇中に届いたメールは自動削除」プログラムは、
そんな未読メールの山から解放してくれます。

Should holiday email be deleted?
http://www.bbc.com/news/magazine-28786117

任意で設定できるこのプログラム。
設定しておくと、休暇中に送られてきたメールに
以下のような自動返信がされ、
届いたメールは削除される仕組みです。

「ただ今休暇中のため、メールを受信することができません。
このメールは削除されます。重要な要件の場合には、
●●(別の担当者)、または休暇復帰後に再度ご連絡ください。」

私も経験があります。

自分の休暇中にメールが気になって読んだり、対応してしまったり。

あるいは逆に、お客様が休暇中とわかっていても
仕事に関するメールを出してしまい、ありがたいことに
先方もお休み中にも関わらず返信をくださったこともあります。

その場だけを見れば、すぐにレスポンスをいただけたことで
仕事を円滑に進めることができたのですが、
本来であればそうしたお休みの期間も考慮した
マネジメントができているべきであり、
成果物のクオリティも当然その方がよいものになります。

またお休み中に「たまたま対応できた」ことが、
いつのまにか双方にとって「暗黙の期待」となってしまうと、
結局仕事のことが頭を離れず、休暇を有効に活用できない
ということになってしまいます。

上記のプログラムでは、
「情報共有のためのメール」はどうしているのか、気になるところです。
休み中の出来事を何も知ることができないのは不安になりそうですが、
必要なことは後で共有すればよいという考えで、
そもそも日本に比べて、そうしたメールは少ないのかもしれません。

ドイツでは他にもフォルクスワーゲンやドイツテレコムなどが
夜間のメールを止める取り組みを進めており、また
以前紹介したフランスでは6時以降仕事のメールはしないという
労使合意
も成立しています。

スマートフォンの普及による、どこでもメールが見られる問題。
長時間労働抑制の取組みが大幅に遅れている日本では
まだまだ先の話かもしれませんが、ワークライフバランスを重視する
欧州では大きなテーマになってきています。

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