企業と子どもの人権 初の枠組み発表

2014 / 6 / 10 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa


photo by Julien Harneis

ビジネスが子どもの人権に与えうる様々な影響に着目した、
企業と子どもの人権に関する初の枠組みが発表されました。

「子どもの権利とビジネス原則(Children’s Rights and Business Principles)」
http://ungcjn.org/common/frame/plugins/fileUD/download.php?type=contents_files&p=elements_file_1369.pdf&token=0c1948d2929dc8cd2036a96bba5ac018beb327c3&t=20140609082352

childright
概要より

策定に参加したのは、グローバル・コンパクト・ジャパン、
日本ユニセフ協会、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの3団体。

これまで企業と子どもの関わりといえば
児童労働の文脈で語られることがほとんどでしたが、
企業が取り組むべき10の原則ごとに

・ビジネスが及ぼす負の側面
(子どもの権利を尊重する企業の責任)
・子どもの権利推進のための本業等を通じた取り組み
(子どもの権利を推進する企業のコミットメント)

の両面から方策が示されています。

<すべての企業が取り組むべき10の原則>
1.子どもの権利を尊重する責任を果たし、子どもの権利の推進にコミットする

2.すべての企業活動および取引関係において児童労働の撤廃に寄与する

3.若年労働者、子どもの親や世話をする人々に働きがいのある
人間らしい仕事を提供する

4.すべての企業活動および施設等において、子どもの保護と安全を確保する

5.製品とサービスの安全性を確保し、それらを通じて子どもの権利を推進するよう努める

6.子どもの権利を尊重し、推進するようなマーケティングや広告活動を行う

7.環境との関係および土地の取得・利用において、子どもの権利を尊重し、推進する

8.安全対策において、子どもの権利を尊重し、推進する

9.緊急事態により影響を受けた子どもの保護を支援する

10.子どもの権利の保護と実現に向けた地域社会や政府の取り組みを補強する

この中には、「子どもの権利を尊重する」「子どもの権利を推進する」
という表現がよく出てきます。
児童労働は防止するということは直感的に納得できても、
子どもの権利をなぜそこまで?と思う人も多いかもしれません。

しかし報告書の序章にあるように、世界のほぼ1/3は18歳未満の子どもです。
また子どもは、現在または将来の消費者・従業員および従業員の家族・
地域社会の構成員として重要なステークホルダーであり、
最も脆弱な立場におかれている存在であることを考えると、
子どもたちの権利尊重・推進に特別の注意を払う必要があることは
納得できるのではないかと思います。

先日、子どもを中心とした開発に取り組む
NGOのプラン・ジャパンを取材で訪ねました。
子どもを開発の中心に据えることで、時間はかかるけれども、
子どもたちが主体的に地域に関わるようになり、
親を巻き込み、自身が大人になってからも積極的に地域に関わり、
また将来生まれてくる子どもたちにもそうした経験を与えるようになるなど、
いい影響が連鎖していくとのことでした。

日本企業はCSR活動の一環として、
子どもたちへの教育に力を入れていることが多いです。

子どもの権利尊重・推進の観点から一度自社の活動を捉えなおすことで、
活動に新たな広がりを持たせたり、
新しい意味づけを与えられたりするのではないでしょうか。

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