Sustainability Frontline サステナビリティをカタチに
巨大化する国際スポーツ大会にベトナムがNo
photo by Jon Osborne
国立競技場の建て替え問題に関して、
先日建築家の伊東豊雄さんが既存施設を改修する代替案を提示し、
新規建設に比べコストも半分ほどに抑えられると発表されました。
この問題、私も巨大な新しい施設は不要と考えますが、
今後の動向を注視したいと思います。
オリンピックやワールドカップなどの
国際的なスポーツ大会は、
巨大化が指摘されて久しく、
地域への経済効果が期待される一方で、
ハコモノに膨大な予算がつぎ込まれ
長期的に財政を圧迫することへの懸念がつきまといます。
来月始まるワールドカップの開催地リオでも、昨年
反対運動が大きな盛り上がりを見せたことは記憶に新しいです。
そんな中、アジア版オリンピックともいわれる
アジア大会の2019年の開催地候補にあがっていたベトナムが、
財政的な負担を理由に自国での開催を辞退したとのニュースがありました。
Vietnam refuses to host Asian Games
http://www.nationmultimedia.com/breakingnews/Vietnam-refuses-to-host-Asian-Games-30231739.html(2021年11月1日時点で無効)
アジア大会開催によるベトナムスポーツ界の発展と
社会経済への良い影響は認めつつも、
巨大化した大会を支えるだけの十分な財政的余裕がないことを
辞退の理由としています。
こうした大会開催にかかる費用はコストではなく
都市開発への投資という意見もありますが、
建設された施設は往々にして大会終了後は
効率的に利用されていないともコメントしています。
こうした動きをみていると、
これまでの際限ない拡大を前提としたあり方から、
本当に大切なことは何かを問い直し、適正な規模に
ダウンシフトする時期に来ているのではないかと思います。
これは今の経済システムにも同じことが言えますが。。。
過去のオリンピックでは、
観客の移動分など間接排出までを対象とした
カーボン・ニュートラルな大会を目指しつつも、
まだ実現できていません。
東京大会もカーボン・ニュートラルな大会を目指していますが、
これも規模の前提を変えることで、達成できる可能性が
格段に高まるのではないかと考えます。
これから2020年の東京大会開催に向けて、
色んな動きが盛り上がりを見せていくことでしょう。
その陰でその他の大切な問題が隠れてしまわないよう、
意識して光をあてていきたいと思います。
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