2014年版Global100のトップになったWestpac銀行とは?

2014 / 3 / 5 | カテゴリー: | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa


photo by Matt

毎年ダボス会議にあわせて発表される
コーポレート・ナイツ社による「世界で最も持続可能な100社(Global 100)」。

今年はオーストラリアのWestpac(ウェストパック)銀行が首位を獲得しました。

Global 100
http://global100.org/global-100-index/

Westpac銀行は、200年近い歴史を持つオーストラリアの4大銀行の1つで、
オセアニア地域のCSR・サステナビリティの取り組みを
長年リードしている会社です。

以前同社の市民セクター専門サポートチームについて紹介をしましたが、
今回は昨年発表された2013〜2017年の5カ年のサステナビリティ戦略について
取り上げたいと思います。

2013-2017 Sustainability Strategy
http://www.westpac.com.au/docs/pdf/aw/sustainability-community/2013-2017_Sustainability_Strategy.pdf

この戦略の中で、同社は以下の3つを
これから30年を見据えたときの重要課題と定めています。

1.人口動態や文化の大変化への対応(Responding to the big shifts of demographic and cultural change)
2.環境問題に対する経済的な解決策の創出(Creating economic solutions to environmental challenges
3.変化した社会における顧客の金融面での持続可能な未来の実現支援(Helping customers achieve sustainable financial future in a changed landscape)

3つの重要課題の下に、10の戦略目標と2017年のターゲットが設定され、
進捗の一覧表が2013 ANNUAL REVIEW AND SUSTAINABILITY REPORT
に開示されています。
(統合版ですが、28頁とコンパクトにまとまっていて非常に読みやすいです)

「1.人口動態や文化の大変化への対応」では、
少子化による前例のない技能不足や
アジア進出による顧客や地域の文化多様性の増加が起こることを見越し、
社会の少数派の職場への参画や従業員の
生活の質を高め長く働いてもらうことなどに取り組むとしています。

「2.環境問題に対する経済的な解決策の創出」では、
気候変動による物理的影響や市場、規制への影響、
人々の意識向上による消費行動の変容を想定し、
顧客が環境課題に取り組むことができる商品・サービスを毎年1つ開発することや
クリーンエネルギーなどへの投資に60億ドルを用意すること、
自社の操業分をカーボン・ニュートラルにすることなどを宣言しています。

「3.変化した社会における顧客の金融面での持続可能な未来の実現支援」では、
高齢化が進むことで退職までの移行期間が伸びることや、
退職時にまとめて退職金を得る形から
長期スパンで資産創出をしていく方法が増えていくことを見据えて、
全ての顧客が安心して退職できるよう適切な財務アドバイスを提供することや
社会住宅・手頃な住宅にアクセスできるよう
20億ドルの資金的な支援を行うことなどを約束しています。

westpac1
westpac2
westpac3
2013 ANNUAL REVIEW AND SUSTAINABILITY REPORT P20-21

日本で同社の活動が紹介されることはあまりありませんが、
引き続き注目して行きたい企業の1つです。

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