Sustainability Frontline
800人の契約社員を正社員へ スターバックスの決断
photo by Shinji WATANABE
契約社員制度を廃止し、全員を正社員として雇用します―。
2014年4月1日以降、スターバックスは
現在約800人いる国内の契約社員をすべて
正社員として雇用することを発表しました。
スタバ 契約社員800人を正社員に
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/news/post_60548/
店舗で働く契約社員の待遇を改善し、
サービスの質を高めることが目的です。
契約社員から正社員になることで、
1年契約の時給制・ボーナスなしという条件から、
雇用期間の定めなく月給制・ボーナスありに変更され、
給与総額も現在より増えるそうです。
人手不足の外食産業の中で、
昨年1000店舗を超え、今後も年数十店単位で出店を拡大していくなか、
優秀な人材を確保しビジネスの成長につなげるための
戦略的な投資として契約社員の待遇改善に取り組むとしています。
国内の非正規社員は昨年2000万人を突破しました。
一方世界をみても、失業率や不完全雇用は大きな問題になっています。
ILOの年次報告書「世界の雇用情勢」2014年版では、
2013年の全世界の失業者は前年比500万人増の2億200万人に達し、
2018年までに2億1,500万人を突破するとされています。
また世界経済フォーラムが発表した世界のリスクに関する報告書
“Global Risks 2014”でも、
構造的に高い失業率・不完全雇用が2位に、
関連して深刻化する収入格差が4位に挙げられています。
もちろん契約社員の正社員化だけではなく、
同社に約2万人いるアルバイトの待遇や登用をどうするのかや、
正社員自体の労働待遇はどうかという課題もありますが、
社会的に大きなテーマとなっている「雇用」の問題に対し
一歩を踏み出した同社の取組みを応援したいと思います。
同時に、正社員になることによる効果として、
「将来の見通しが立つ」ことが挙げられますが、
自分だけでなく会社や社会の見通しが見えない世の中において、
「見通しが立つ」という言葉そのものをどのように考えていくのか、
また「見通しを立てていける力」を伸ばしていくにはどうしたらいいか、
といったことまで考えていくことが今求められています。
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