【G4を読み解くキーワード】インテグリティ

2013 / 8 / 1 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

Ugandan anti-corruption sign
photo by futureatlas.com

G4を読み解くキーワードシリーズ、前回のDecent Workに続いて、
第2弾のテーマはIntegrityです。

透明性やコンプライアンスとセットで
語られることが多いこの言葉。

G4ではEthics and Integrity(倫理とインテグリティ)とセットになっています。

インテグリティ(誠実さ)が何を指すのか
なかなか日本語にしにくい言葉ではあるのですが、
いくつか使用例を見てみると、

・グローバル・コンパクトでは、
原則10の「透明性と腐敗防止」に取り組む際の
キーワードとして用いられています。

企業の腐敗防止対策のベストプラクティス事例集
Corporate Sustainability with Integrity: Organizational Change to Collective Action

・あるいは東芝では
「社会に対して誠実に向き合い、積極的に責任を果たす」
「経営や財務の健全性を追求する」
という2つの視点で解釈をしています。

言葉の観点からの解説については、
詳しくは翻訳ブログをご覧ください。

G4では、Ethics and Integrityについて
3つの項目の開示を求めています。

——–
G4-56.考え方や行動規範について
・教育、研修の機会
・既存、新規の役員・社員や取引先の遵守状況
・担当役員の任命
・多言語化など、全従業員に伝わる仕組み

G4-57.内部/外部からの助言の仕組みや手段について
・助言を受ける社内窓口
・第三者から助言を受ける仕組み
・周知徹底の仕組み
・メカニズムへの利用しやすさ、アクセスのしやすさ
・機密性
・匿名性
・助言数、回答数、内訳
・利用者の満足度

G4-58.内部/外部からの通報の仕組みや手段について
・要素については2と同じ
——–

用語集の解説を見てみると、上記の助言/通報の対象となるのは
「illegal, irregular, dangerous or unethical practices 」であると説明されています。
Implementation Manual, p250)

法律で明文化されたものだけではなく、
それ以外の倫理的な一般通念なども
誠実かどうか判断される基準となります。

明確な基準があって、それを「守った」「守らない」という話ではなく、
助言や通報の仕組みが機能していることによって、
誠実であるということを初めて外部に説明することができます。

この背景には、欧米では前提として
企業は腐敗するものである、
という考え方があります。

日本では企業は本質的に倫理的であるべきであり、
腐敗対策をしていることを公表すること自体が
そもそも恥ずかしいとする考え方があるように感じます。

こうした個人の内面に頼るやり方の場合、
時には組織全体が内向きになり、
自浄作用がうまく働かなくなります。

日本は内部通報者に厳しい国と言われるのは、
そうした背景があります。
先日、内部通報者が著しい不利益を被ったとして
裁判に発展したオリンパスで、
内部通報を更にしにくい形に仕組みが変更されたとの報道もありました。

行動規範がある、ホットラインがある、
というだけでなく、それがちゃんと機能しているかということを、
仕組みと実績を開示してインテグリティを説明していく必要があります。

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