Sustainability Frontline
ゴールドマン・サックス 就学前教育支援にソーシャル・インパクト・ボンド
photo by a.pasquier
ゴールドマン・サックスが幼少期の子ども向け教育に
融資をするソーシャル・インパクト・ボンドを立ち上げました。
Social Impact Bond For Early Childhood Education
http://www.goldmansachs.com/what-we-do/investing-and-lending/urban-investments/case-studies/salt-lake-social-impact-bond.html
ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは、
政府が民間と契約して社会性のある事業を行い、
成果の達成状況に応じて削減される費用からリターンを支払う
新しい債権の契約形態を指します。
たとえば、
●刑務所の服役者の支援事業を実施し、
再犯率が低下した場合に本来かかると想定される
費用の削減幅に応じて支払いを行う
●若者の就労支援を行い、就職率が高まったことで
削減されたコスト+納税者になることにより生み出された価値
に応じて還元する
といった仕組みで、英国や米国で導入が始まっており、
得られた成果に対して支払いをすることで、
公的セクターにとっては高い費用対効果が
実現できる投資の仕組みです。
今回のケースでは、ゴールドマン・サックスが
米国ソルトレークシティでコミュニティ団体などと連携し、
幼少期の子ども向け教育に融資を行います。
対象となるのは、落ちこぼれる恐れのある
子どもたちを対象とした就学前教育プログラム。
既存事業の規模拡大のために、最大700万ドル、
第1フェーズでまずは100万ドルを投資し、
今秋には新たに450人の子どもが参加できるようになります。
5歳以下の幼少教育に投資をすると、
その後の学校生活を子どもたちは順調に過ごすことができ、
高校卒業率の増加や犯罪率の減少につながることが
研究で示されています。
先日国内でもソーシャル・インパクト・ボンドに関する
シンポジウムが開催され、
日本でも議論が始まっています。
ソーシャル・インパクト・ボンドについて、詳しくは
ソーシャルインパクト・リサーチの熊沢さんの資料をご覧ください。