社員の自発性を経営の力に サノフィの「ラ・メゾン」プロジェクト

2013 / 7 / 29 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

Manos Levantados
photo by Adapting to Scarcity

タイ政府が進めるHappy Workplaceの研究会で、
フランス系製薬企業のサノフィが展開している
La Maison(仏語で家)プロジェクトについて
話を聞いてきました。

La Maisonプロジェクトとは、
会社をよりよく変えるための社員による
自発的かつ組織横断的なプロジェクトです。

ボトムアップ型のこの活動、
工場などでの「カイゼン」活動に近いのですが、
扱う領域が業務そのものではなく、
ワーク・ライフ・バランスや社会貢献活動など、
会社と社員が共に成長していく組織風土の醸成を
目指す点に特徴があります。

その年のプロジェクトメンバーとして集まった
様々な部署・地域の社員20~60名が、
自ら活動テーマを決め、チームに分かれて
業務外の時間を使って取り組んでいきます。

「社員の主体性に任せるプロジェクトが成功するためには、
社員のやる気を会社が本気で受け止めることで初めて成立する」
との考えの下、役員や部長がアドバイザー・サポーターとして
チームに関わります。

意図的に人事のメンバーをチームに入れたりという工夫により、
プロジェクトでの議論が実際に
社内規定の変更にまで至った事例もあるそうで、
成果が目に見える形で示され、変化を実感できると、
参加者のモチベーションは大きく高まるのではないでしょうか。

追跡調査によると、参加した社員にとっても、
その後のキャリアアップに
プラスの影響を及ぼしているようです。

サノフィは元々30社以上が統合を重ねて誕生した会社です。

プログラムが始まった背景には、こうした統合の歴史により、
社員が内向きになり、会社に対するロイヤリティが低下していたため、
マインドを変化させる強力なシンボルとしての活動が
必要であったということがあります。

こうした場に主体的に参加する社員は、
まさに会社の財産そのもの。
そうした社員の力を開花させ、
企業の力に結びつける効果的なプログラムと言えます。

ただ、このプログラムを行っているのは日本だけとのこと。
フランス本社に報告した際には、

「日本ならではの、とても素晴らしい活動。
ただフランスでは、自発的に集まろうといっても、
会社は業務をこなす場所で、自分の仕事が終われば帰ってしまい、
みんな集まらない。」

との反応があったそう。

社内での位置付けが必ずしも明確ではない、
自発性を基本とした部活・サークルに近いこのような活動は
日本だからこそできるものだと感じています。

全世界で同様に展開していくことは難しいと思いますが、
アジアの一部地域など、日本に近い精神風土の国々では
有効な手法かもしれません。

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