バングラデシュのビル崩壊事故から2ヶ月 各社の対応は今

2013 / 7 / 4 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

May Day
photo by Pagla Dashu পাগলা দাশু

今年4月に発生したバングラデシュの衣料品工場の崩壊事故。

日本ではもう関連報道がほとんど見られませんが、
背景にある問題解決に向けた動きはまだ始まったばかりです。

今回の事故を受け、グローバルブランドは様々な反応を見せています。

欧州企業を中心とした約50社は
バングラデシュ政府と5年間の安全対策協定を締結。

H&MやInditex(Zaraを展開)、
PVH(Calvan KleinやTommy Hilfigerを展開)などのアパレルブランドや
Tesco、Primarkなどの小売メーカーが参加を表明しています。

協定では、労使代表や専門家を交えたパネルの設置や、
独立機関による工場への立ち入り検査と結果の公表、
従業員向けの教育の実施、
最大年間50万ドルの対策への資金拠出などを求めています。

一方、すでに行っている対策で十分であり、
協定が法的拘束力を持つことに反対して署名を拒否した、
GAPやWal-mart、Macy’s、Sears、J.C. Penneyなどの米国企業は、
独自にガイドライン策定するとしています。

報道によれば今月にも協定の締結にいたるとされ、
対策に5000万ドルを拠出すると言われていますが、
「自主的な」ガイドラインにどこまでの有効性があるのか、
人権団体などからは疑問の声があがっています。

今回、市民団体は事故を受け、
最大手のH&MとGapを対象としたキャンペーンを展開しました。
120万筆以上のオンライン署名が集まり、
両社の動きを後押ししたといえます。

H&Mは以前からバングラデシュの労働環境改善に向け、
独自での対策のほか、政府への働きかけも行ってきました。
しかし結果的に今回の事故が起きてしまい、
1社での取組みには限界があったことや、
協定の締結に及び腰であったなどが一部で批判されています。

一方、ユニクロを展開するファーストリテイリングは、
生産工場が70社と他社に比べて少ないことなどから、
パートナー工場との協力を通じて
監査などの予防対策を強化するとし、
協定には署名しないと語っています。

対策の進め方と情報開示のあり方。
法的拘束力のあるイニシアチブへの参加か、自主的な取組みか。
自主的な取組みの場合、客観性をどのように担保するのか。
1社できない部分に対して、どう対処し、責任を果たして行くのか。
何かが起きたときにどのように対応し、批判に応えていくのか。

カンボジアやベトナムでも、同様の事故は頻発しています。

従業員の待遇や労働環境という、
ファストファッションのビジネスモデルそのものが持っている、
避けては通れない業界の本質的な問題に対し、
どのように取り組んでいくのか。
各社の姿勢が問われています。

最後に、事故の悲惨さを訴える1枚の写真と
スペインで行われた抗議アートをご紹介します。

・Time社の男性が女性を守ろうとしながら亡くなっている写真。
(ショッキングな内容です。閲覧にご注意ください。)

A Final Embrace: The Most Haunting Photograph from Bangladesh

・スペイン人アーティストによる事故の再現「Fashion Victims」

私自身、一消費者として、過ぎたこととして忘れてしまわずに、
何ができるか、何をすべきかを考え行動していきたいと思います。

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