Sustainability Frontline
病気で休める制度の充実を 米国の病気休暇導入議論
日本では風邪をひいたとき、
有給休暇を消化するのが一般的です。
多くの海外の国では、有給休暇とは別に、
病気になったときに数日休むことができる
病気休暇(Sick Leave)という制度があります。
日本でも外資系企業などでたまに見られますが、
海外では法律で定められているところも多くあります。
米国では今回、連邦議会に自身あるいは家族の看病のために
7日間の病気休暇を義務付ける法律、
健康家族法(Healthy Families Act)が、
再提出されました。
Paid Sick Days Legislation Introduced in Congress
http://asbcouncil.org/press-release/paid-sick-days-legislation-introduced-congress(2021年9月現在、このURLは無効となっています。)
2021年9月現在のPaid sick daysについてはこちら
これまでも何度か議論はされてきたのですが、
米国では、ポートランドやシアトルなど、
近年州レベルでの導入の動きは進み始めた一方、
国レベルでの病気休暇の法的な規定はありません。
実は有給休暇そのものを規定する連邦法もなく、
企業が福利厚生の一環として独自に
導入していることが多いというのが実態です。
そのため、
企業従業員総数の3人に1人が有給病欠がなく、
仕事や報酬に響くことを懸念して
インフルエンザが流行しても職場に通って逆に
感染が拡大しているとの報告や、
特に制度が整っていない低所得労働者とその家族・子どもたちが
恩恵から除外されているという報告も見られます。
福利厚生、生産性向上、コスト増加、労働者の基本的権利など
様々な観点からの議論がありますが、
気軽に休んでも業務に支障がでないような体制を構築するためには、
余裕をもったスケジュール組みや相互補完できる人材体制などが必要であり、
結果的に強い組織をつくることにつながるのではないでしょうか。
私はもっと日本でも病気休暇の導入が議論されてもよいと思います。