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偏見助長と批難のLEGOスターウォーズシリーズ 製造中止が決定
photo by Thunderchild7
LEGOのスターウォーズシリーズの1つが、
偏見を助長するとの批判を受けて、議論になっています。
Toy giant Lego confirms it’s ending production of the “Jabba’s Palace” playset but denies it’s doing so because of complaints from a Turkish group in Austria.
http://news.msn.com/world/lego-scraps-star-wars-toy-jabba-after-anti-muslim-complaints-2
問題となったのは、2012年に発売された
スターウォーズ「ジェダイの帰還」に登場する
大悪党ジャバ・ザ・ハットの宮殿をモチーフにしたもの。
オーストリアに住む男性が、
クリスマスに家に届いたこのおもちゃを見て、
教育上問題があるのではないかと
トルコ系団体に訴えたことが発端です。
同団体は今年1月に声明を発表し、
「宮殿の形が、トルコのイスタンブールにある
世界的に有名なアヤソフィア(Hagia Sophia)に酷似しており、
ジャバ・ザ・ハットの風貌やテロリストであるとの設定とともに、
アジア・オリエントに対する偏見に基づいている」
として、子どもたちには
多様性に対する感性を育む教育をすべきであり、
このおもちゃは偏見を助長する可能性があるとして、
販売中止を求めていました。
(類似点の指摘。Türkische Kulturgemeinde in Österreichのリリースより)
これを受け、LEGO社は同団体と協議の場を持ち、
議論を重ねてきました。
同社は先日、
「あくまでスターウォーズの世界に基づいたものであり、
誤ったメッセージとして受け止められてしまったことを残念に思う。」
「2013年度末で製造を中止するが、これは
製品のライフサイクルが元々1~3年であり、
元々予定されていたもの。今回の批判とは無関係。」
とのコメントを発表し、同団体は
「発表に満足している」と回答しています。
賛否両論ある今回の件。
「宗教」
「子どもたちへのマーケティング」
に関連する場合には、殊更注意が必要であることや、
問題が起きたときの対話のあり方や解決策の提示の仕方、
外部への伝え方について、多くの示唆が得られる事例です。