CBDが報告書を発表 注目高まる「都市化と生物多様性」 

2012 / 12 / 8 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

少し前になりますが、
生物多様性条約事務局が都市化と生物多様性に関する
報告書を発表しています。

Cities and Biodiversity Outlook
http://www.cbd.int/doc/publications/cbo-booklet-2012-en.pdf

2000年から2030年にかけて、
世界の都市部は3倍に拡大し、
都市人口は倍増して約49億人に達すると予測されています。

下記の予測を見ていただければわかるように、
これまで、多様な生物種が集まる
生物多様性ホットスポットは都市部と
比較的離れたエリアに存在していましたが、
今後は生物多様性ホットスポットにも
都市化の影響が及んでいくことになります。

■中国とインドの都市化予測


オレンジ…人口集中地域
水色、青…生物多様性ホットスポット
(報告書P13、14より)

しかし2030年までに都市化されると
予測されている土地の60%以上は開発がこれからのため、
低炭素型で資源効率の高い都市開発を促進できれば
影響は限定的に抑えられるとしています。

都市における生物多様性に対する認知は高まってきており、
様々な研究も進んできています。

・ベルギーでは開花植物種の50%以上がブリュッセルに、
ポーランドの鳥種の65%がワルシャワにみられる。

・都市の樹冠面積が10%増えると気温が3~4%低下し、
エアコンに使用されるエネルギーの削減につながる。

・木々が近くにあると子どものぜんそくやアレルギーが
比較的少ない。

など。

報告書では各地の先行事例が取り上げられており、
日本からは金沢市の加賀野菜ブランドを通じた
環境・農業・食の保全と地域活性化の事例が
紹介されています。

持続可能性のどの問題を考えるにあたっても、
今後「都市化」は欠かせない視点です。

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