Sustainability Frontline
米国でサステナビリティ会計基準審議会が発足、進む非財務情報開示の基準作り
年々高まる情報開示の要求に応え、
企業から発信される非財務の情報量は増えています。
一方、財務情報とは異なり明確な基準がないため、
他社との比較や評価を難しくしています。
そんな中、米国で非財務情報開示の基準を
策定することを目指す非営利団体、
サステナビリティ会計基準審議会(SASB)が発足しました。
Sustainability Accounting for a Sustaianble Future
http://www.sasb.org/
市場が発展するに伴い、会計基準や
アカウンタビリティーの必要性も変化します。
財務価値に関しては、
1934年に米国証券取引委員会(SEC)、
1973年には米国財務会計基準審議会(FASB)が設立されていますが、
今回のSASBの発足はこの流れに続くものとなります。
目指すのは、業種ごとに特化したサステナビリティ会計基準の開発と、
標準的な企業報告への導入。
まずは10セクター89業種のそれぞれで、
サステナビリティ課題の優先順位を数値で示す
「マテリアリティ・マップ」を作成します。
「サプライチェーン」「製品・サービス」「ビジネスモデル・イノベーション」
「リーダーシップ・ガバナンス」「環境」
「コミュニティ」「従業員」「顧客」
の8カテゴリー43の指標について、
ステークホルダーの関心と経済的影響の観点から評価・数値化。
それぞれの業種で最も重要だと判断された課題について、
SECに提出するフォーム10-Kでの情報開示に適した
業績評価指数を開発していくそうです。
マテリアリティ・マップの例
http://sasb.s3-website-us-east-1.amazonaws.com/
この動き、もちろんIIRCの統合報告との動きとも連動しています。
新しい基準開発や制度化が進む中、
日本企業はむやみやたらに全てを取り入れていくのではなく、
「どのような投資家に投資して欲しいのか」という点をまずは明確にした上で、
取り組むべきものには取り組み、止めるべきものは止め、
自律的な取捨選択の意思決定をしていくことが求められてきます。