タイ証券取引所 社会的責任ガイドラインを発表

2012 / 7 / 24 | カテゴリー: | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

Thailand 2007
photo by sanchez jalapeno

タイ証券取引所(the Stock Exchange of Thailand、SET)が
先月末、タイ企業向けの社会的責任に関するガイドラインを発表しました。

今回発表されたのは、以下の3点。
(いずれもタイ語のみ)

1.企業向け社会的責任導入のガイダンス
http://www.csri.or.th/sites/default/files/CSRI_green.pdf (2021年11月1日時点で無効)
2.持続可能性報告ガイドライン
http://www.csri.or.th/sites/default/files/CSRI_violet.pdf (2021年11月1日時点で無効)
3.GRIガイドライン3.1のタイ語訳
http://www.csri.or.th/sites/default/files/GRI%203.1%20Sustainability%20Reporting%20Guidelines.pdf (2021年11月1日時点で無効)

SET CSR研究所によって取りまとめられた今回のガイダンスでは、
入口と出口にあたる導入と報告に焦点をしぼり、
ISO26000やUNグローバル・コンパクト、GRIなどの
国際的なガイドラインを参照しつつ、
タイ独自の文脈を踏まえて考え方が整理されています。

その中でも、特にページを割いているのが、
経済開発・成長の適度さを重視し、
自立的・持続的な経済成長をめざす
「Sufficiency Economy(足るを知る経済)」の考え方。

タイ国王が提唱し、人々が経済行動を考える上での
重要な要素になっている概念です。

タイのCSRを知るには、2009年に発表された
UNDPとUNVによる報告書も参考になります。

Research on the CSR Development in Thailand
http://www.undp.or.th/UNV/documents/ResearchontheCSRDevelopmentinThailand.pdf (2021年11月1日時点で無効)

この中で、タイのCSR的価値観の形成に
影響を与えている要素として、以下の3つが挙げられています。

1.輪廻転生をはじめとする仏教の考え方
2.対立・紛争を回避する習慣
3.僧侶と国王への敬意

ある企業担当者は、
上記の影響による「個人の自発性」が
タイのCSRの特徴として挙げられる、とのこと。

タイのCSRが今後どのような発展を遂げていくのか、
地域の文脈をしっかりと理解しながら、注目していきたいと思います。

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