業界比較 サステナビリティ目標が少ないアルコールメーカー

2011 / 8 / 31 | カテゴリー: | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

業界によって、取り組むテーマや度合いは異なってきます。

アルコールメーカーは他の業種に比べて
サステナビリティに関する目標/ターゲットが少ない。

-そんな調査結果が米国のGreen Researchから発表されました。

Benchmarking Sustainability Goals: Alcoholic Beverages
http://shop.greenresearch.com/products/benchmarking-sustainability-goals-alcoholic-beverages
(レポートは有料です。内容はこちらの記事からご覧になれます。)

ビール・ワイン・スピリットの大手メーカー、
アンハイザー・ブッシュ、アサヒ、ブラウン・フォーマン、
カールスバーグ、ディアジオ、ハイネケン、キリン、サブミラー
などの11社が調査の対象です。

上記企業の多くは、5つのサステナビリティ目標しか設定しておらず、
過去の他業界を対象とした調査で出てきた、
銀行7、食品加工企業10~15、PCメーカー16~18といった
数字と比べても少ないそうです。

その中でも最も遅れているのは、アサヒとフォスターズとのこと。
多くの目標がすでに達成済みで、
より新しく前向きな目標に置き換えられるべきであるとしています。

またアルコール業界の特徴としては、
水に関する目標が他業種と比べても多く設定されており、
調査対象となった全体の44の目標の内、
30%は水に関するものとのことです。

ここでの目標とは、定量的な目標が重視され、
「生物多様性に貢献する事例をつくる」といった目標や、
対象年が過去に設定されているもの・達成済みのものは
カウントの対象から外しています。

今回の調査は、あくまで「これから」に対する姿勢を
「目標/ターゲット」という側面から調査したものであり、
これだけが全てというものではありません。

調査会社のアナリストも
「特定のイシューについて目標がないからと言って、
その企業が全く取り組んでいないということにはならない」
と述べています。

「目標/ターゲット」はそれ自体が強いメッセージ性を持っており、
ただ発表するだけではなく、中身とあわせて
どうコミュニケーションしていくかという点がやはり重要になってきます。

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