Sustainability Frontline サステナビリティをカタチに
マイクロファイナンス 真の効果のほどは?
2011 / 7 / 21 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa
photo by mckaysavage
貧しい人たちの貧困脱出を支援する手段として
注目を集めているマイクロファイナンス。
果たしてマイクロファイナンスの効果は本物か。
その効果のほどを確かめる実地調査の結果が発表されました。
“Can Small Loans Reduce Poverty?”
http://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=119805&org=NSF&from=news
調査はフィリピンで行われ、
・1601人を対象に
・貸付期間13週間、実質年率60%以上
・平均225ドルを貸付
という内容で行われました。
結果に融資以外の要因が反映されないよう、
対象は融資資格をぎりぎりのラインで満たす者にしぼられています。
調査結果は以下の通り。
少額融資によって、
リスク対応能力が向上し、地域との結びつきが強まり、
親族や友人からの借り入れが容易に。
一方、従来言われているような、
融資利用者による起業や事業への投資の増加は
認められなかったとのこと。
現状、マイクロファイナンスが、
より従来の消費者や小規模事業者を対象とする
融資に近いものになっているようです。
マイクロファイナンス=経済的な自立につながる
とそう単純に言いきれるものではなく、
融資による貧困軽減への影響についての
さらなる調査が望まれます。
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