ENW Lab. ENWラボ
楽しく、ゴミを減らす。
Zero Waste(ゼロ・ウェイスト)、簡単にいうと、ゴミを出さないこと。
この言葉を強く意識するようになったのは、昨年の夏に『ゼロ・ウェイスト・ホーム』という本を読んでから。恥ずかしながら、それまではゴミのことを深く考えたことがありませんでした。
夏の終わりに、夫を残して、子どもと3泊4日の旅行にいきました。帰宅すると、我が家のゴミ箱が大変なことに! 夫が毎日コンビニ弁当を食べていたのか、回収日に出すのを忘れたのか、ふたも閉まらないほどの量なのです。一家庭からこんなにゴミを出してしまったら、地区全体、市全体、ひいては地球全体では一体どれだけの量になるのか…、ゴミ問題をここまで「自分の問題」として恐ろしく感じたのはそれが初めてでした。
『ゼロ・ウェイスト・ホーム』を図書館でぐうぜん見つけたのは、その翌日のこと。「ごみを出さないシンプルな暮らし」という副題に、(この手の本はたくさん読んだけど、暮らしはちっとも変わらなかったなぁ…)と思いつつ、それでも「ごみを出さない」という言葉があまりにタイムリーで借りることにしたのです。
ページを開いてからは、驚きの連続。1年間に出すゴミの量を1リットル(!)にまで減らした著者の行動力に感化され、いてもたってもいられなくなりました。まず、燃えるゴミの大半は、①プラ、②紙、③生ゴミだと気づきます。そして、「プラ」マークが付いているものは「プラ容器・包装」、紙という紙はすべて「雑紙」、つまり資源として分別徹底したところ、それだけで燃えるゴミが激減したのです。
燃えるゴミを出す頻度はすぐに週2回から1回に、やがて3~4回の回収に1回でも大丈夫になりました。そうなると気になったのが、生ゴミの存在です。生ゴミを1週間以上もゴミ箱に入れておくのは…と、コンポストを導入しました。
燃えるゴミと反比例して、皮肉にも大幅に増えてしまった「資源ゴミ」。とくに、かさばるプラごみの多さに閉口します。市内のスーパー、直売所の野菜は9割方がプラ包装。ドラッグストア、100円ショップはプラスチックの洪水です。あらゆる購買活動での選択がゴミの発生に直接関係していること、購買者(我が家では主にわたし)がいかに大きな責任を負っているかということを痛感します。
ゼロ・ウェイストの発想を知り、世界を見る目が一変しました。価格や利便性重視から、「ゴミを(なるべく)出さない」という視点でモノを選ぶようになりました。とはいえ、価格はやっぱり重要ですし、家族に不便を強いることもできません。ただ、食品、消耗品、衣類など1点1点を慎重に選び、新しい選択肢のメリットを家族に説明して受け入れてもらう、ということをゆっくりと繰り返しています。
1つ選択肢を変えるだけでも、普段の買い物ルートや日々のルーチンが変わり、慣れるまでには時間がかかります。ましてや、それを価値観が異なる誰かに理解してもらうには、なおさら時間とエネルギーが必要です。
それでも、「いろいろ考えたけど今の自分にはコレ!」というゼロ(レス)・ウェイストな選択を少しずつ増やし、ドキドキしながら容器持参で量り売りに挑戦したり、理科の実験のようにコンポストを観察したり、化粧品の点数を減らして顔に変化が出るか様子を見たり(笑)、なるべく楽しみながらマイペースで、できることを続けたいと思っています。

我が家のごみステーション。左から、「燃えるゴミ」、「プラ容器・雑プラ」、「ガラス容器」、「燃えないゴミ or ペットボトル」、「雑紙」、「コンポスト」。取り組みを始めてから、ペットボトル(ほぼゼロに)、ガラス容器(増)、燃えるゴミ(大幅減)、プラ・雑紙(大幅増)。
本当のチャレンジはここから!プラ・雑紙を少しでも減らそうと、試行錯誤の毎日です。