明治期の雲仙温泉: 秘蔵古写真でたどる雲仙温泉の「避暑地時代」

2019 / 6 / 26 | カテゴリー: | 執筆者:岡山 奈央 Nao Okayama

長崎県の島原半島に位置する雲仙地区は、自然保護の目的から環境省により国立公園化されています。

九州で雲仙といえば、すぐに現在の温泉街をイメージする人は多いかと思いますが、実は明治時代、香港や上海に駐在していた欧米からの特派員の方など外国人の避暑地として人気の場所だったことは、あまり知られていません。

国立公園になっていることから派手さはないものの、最近は登山客など海外からも観光で訪れる方が少しずつ増えてきていることもあり、歴史の観点からもアピールできれば雲仙の魅力がより増すのではないか、という思いがありました。

そこで、雲仙の歴史について明治期の写真や英文記録から考察した夫の論文を編集し、国内外の観光客の方向けのパンフレットを日・英で作成しました。

著者は私の夫、編集は私が行い、英訳はTSAパートナーである梅村フィデスさんにご協力いただきました。

明治期の雲仙温泉_日本語

Unzen_Meiji Era_English

(参照論文)
・岡山俊直(2015)「1889年(明治22年)に雲仙を紹介した上海の英字新聞に関する報告
-雲仙温泉における「避暑地時代」の魅力を探る-」人と環境、第46巻、27~33頁。
・岡山俊直(2016)「英文資料を活用した雲仙温泉における「避暑地時代」の成立過程に
関する考察」温泉地域研究、第26号、1~12頁。
・岡山俊直・中村泰尚(2017)「雲仙温泉における明治期の古写真に関する考察と
その活用」温泉地域研究、第28号、1~12頁。

 

作成したパンフレットは、雲仙のビジターセンター『お山の情報館』に置いていただいています。

ビジターセンター『雲仙お山の情報館』

 

長い歴史の中で、さまざまな人々を魅了し続けてきた雲仙。
そして、私自身も少しだけゆかりのある雲仙。

このパンフレットを手に取った方が、雲仙の歴史について少しずつ理解を広めてくださり、より多くの方が雲仙に関心を持ってくださることを願っています。

 

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