「サステナブルに休む」どう実現? ENWとパートナーの新しい試み

2022 / 4 / 14 | 執筆者:宮原 桃子 Momoko Miyahara

エコネットワークス(以下、ENW)では、「『個』が輝くサステナブルな社会」の実現を目指して、関わる人みんなの「サステナブルな働き方」を大切にしています。そこで、働き方と切っても切り離せない「サステナブルに休む」というテーマについて、ENWのパートナーとともに考え、実現するための対話企画がスタートしました。


執筆:宮原 桃子

東京・世田谷区に暮らすライター。ENWでは、企業向けのサステナビリティ関連コンテンツ制作に取り組む。かつて暮らしたドイツにて、プライベートや家族の時間、長期休暇などを優先する社会を経験し、サステナブルに休むことを大事に考えている。


きっかけ:みんながもっと休めるにはどうしたらいい?

今回の企画の種は、すでに2020年に生まれていました。ENWのパートナーが集まって制作した「サステナブルに働くためのヒント集」(2020年)では、「時間」「場所」「契約形態」「休み方」「健康なこころと身体」についてパートナーの実践を紹介しました。

次のステップとして、ENWでサステナブルな働き方をサポートする仕組みや環境を整えていこうと議論する中で、「パートナーの皆さんが、もっと休めるようにするにはどうすればいいだろうか」という話に…。私自身も、かつて暮らしたドイツで、夏休みを2~3週間取るのが当たり前という社会を目の当たりにして、日本でも同じような文化や環境が作れないだろうかという問題意識がありました。

「サステナブルに休む」を考えてみよう

そこで、サステナブルに休むためのカギを考えたり、ヒントを共有したりする場づくりとして、次の企画をスタートしました。

  • 1.「サステナブルに休む」を考えるシェア会シリーズ&記事発信

「なぜ休みが必要・大切なのか」といった本質的な問いや、さまざまなパートナーの現状や課題、工夫について共有しながら、どうすればサステナブルに休めるかを考える全5回のシェア会※です。シェア会での対話の様子、そこから得られたヒントなどは、ENWラボ(本ブログ)で記事として発信します。

※ENWに関わるパートナーが集うプラットフォーム「Team Sustainability in Action (TSA)」では、それぞれの持つノウハウや視点を交換して学ぶ場として「シェア会」を開催しています。

シェア会 記事発信(ENWラボ)
3月 どうすればできる?サステナブルな休み方 4月掲載予定
5月 男性&経営層の育休 6月掲載予定
8月掲載予定「育児期の休み方」
9月 介護・看護に備える休み方 10月掲載予定
11月 働き盛りの休み方 12月掲載予定
1月 「理想の休み方」を実現するために 2月掲載予定
  • 2.  Slack「働き方・休み方」チャネル

ENWパートナーが、働き方・休み方について自由に情報・意見交換をする場として、Slackにチャネルを立ち上げました。

こうした企画を通して、パートナーがサステナブルに休むための意識やヒントの共有につなげるとともに、サステナブルな休み方を実現する環境・仕組みづくりを進めていきたいと考えています。

「サステナブルな休み方アンケート」で見えてきたのは…

Photo by Yuuta on Adobestock

第1回シェア会を開催するにあたり、パートナーの皆さん向けに「サステナブルな休み方に関するアンケート」を実施しました。「休めた」と感じるのに欠かせない要素、理想の休み方、現状、休むための工夫や課題などをたずねました。一人ひとりの考えや現状はさまざまですが、主にこんなポイントが見えてきました。

  • 休みに欠かせない要素: 「やるべきことから切り離される」「何もしない(完全な休息)」「何かをする(リフレッシュ)」「心身を整える(睡眠など)」など
  • 理想の休み方: 「休みたいときに休める」「自分のペースで過ごす」「まとまった長い休み」など
  • 理想の休み方が実際できているか: 「できている」から「まったくできていない」までバラつきがあった
  • 日々の休み方:週末はオフ、平日半日などの休み、長期休みはスローダウンなど
  • 休むための工夫:仕事を詰め込まない、無駄を省く、周囲との休みの意識のシェア、週末は仕事をしないといったマイルールの設定など
  • 休むための課題:時間が足りない、仕事以外のワークが多い(子育て・家事など)、周囲との調整や意識の共有がしきれていないなど

こうしたアンケート結果を見ながら、第1回シェア会では、参加したパートナー5名で「サステナブルに休む」ためのカギとなる問いやポイントを考えてみました。

フリーランス・自営型テレワーカーなどの「休む」に注目

Photo by Maria on Adobestock

シェア会は、パートナーのこんな一言から始まりました。「休みの実態や課題、そしてどうすればサステナブルに休めるかは、組織に属する人とフリーランス・自営の人では、大きく違いますね」。組織人であれば、組織が決めた休み・ルールが前提、さまざまな制度によって金銭的な面も含め保障された形で休める、チームで補い合えるので休みやすい、逆に周りを意識して休みづらいといった難しさもあります。

他方、アンケート回答者をはじめENWのパートナーの大半は、フリーランス・自営で仕事をしています。自分自身で仕事量や予定をコントロールできるため、柔軟に休みやすい側面もありますが、生活費の確保やこれからも仕事が途切れないようにするために、休むことを躊躇するケースもあります。暮らしと仕事が混とんと混ざり合っていることも多く、「仕事vs休み」では捉えづらいワークライフスタイルとも言えます。近年は、個人事業主として企業から発注を受ける「自営型テレワーカー」と呼ばれる人びとが増えています。「雇用」と「自営」の中間的立場にある人たちに焦点を当てて、サステナブルな休み方を考えることが、ENWにおいても、また今後の社会にとっても、一つの大切なテーマなのではないかという話になりました。

「どう休みたいか=どう生きたいか」本質に迫るトーク

また、労働形態に関わらず、サステナブルに休むにあたって共通のカギも浮かび上がってきました。まずは、一人ひとりにとって「なぜ休みたいのか」といった「休む目的」やその先に求めているものを考えること。どう休みたいのかを考えて行くと、結局「どう生きたいのか」という根源的で大切な問いにつながっていくよね…という声に、深く頷く一同。

その上で、「優先順位」と「時間配分」を考えることもカギになりそうです。仕事だけでなく、例えば子育てや介護など、やりたいこと・やるべきことは世代やライフステージによってさまざまある中で、「自分にとってのベストなバランスは何か」を意識することが、理想的な休み方に近づく第一歩なのかもしれません。そして、そのバランスをどう取るかを「自分で決められる」ことも大切な要素です。アンケートでも、「休みたいときに休める」「自分のペースで休める」ことが重視されていました。最近は、フレックスなど柔軟な勤務制度を導入する企業も増え、自分自身で働く・休む時間の調整がしやすくなりつつあります。誰かに決められた休みではなく、一人ひとりが自身に合った形で休める、より良い仕組みを考える必要があります。

また、休むためには、仕事仲間やクライアント、家族など、周りの人びとと「休むこと」に関するスタンスや意識を共有することも大切だという意見も出ました。

今後に向けて:さまざまな人の「休む」からヒントを考える

第1回シェア会は、休むことの本質やカギを考える第一歩になりました。今後のシェア会では、さまざまなライフステージ・働き方を経験している人たちを交えて、多様な現状やアプローチをみんなで共有しながら、「サステナブルに休む」ために何が必要かを考えていきます。そして、このような対話を積み重ねることで、休むことに対する意識を醸成・共有していき、結果として誰もが休みやすいカルチャーが広がっていけばいいなと思います。

次回は、「男性・経営層の育休」がテーマです。日本ではまだまだ浸透しているとは言えないものの、法改正により2022年4月から産後パパ育休制度もスタートしました。パパ育休まっただ中のENW代表を交えた対話の様子をお伝えします(6月掲載予定)。

宮原桃子/ライター)

このエントリーをはてなブックマークに追加