夫婦ダブル在宅勤務+子育て:2020年を振り返って今思うこと

2021 / 1 / 4 | カテゴリー: | 執筆者:EcoNetworks Editor

新年を迎え、我が家の抱負は、私も夫も、快適にサステナブルに在宅勤務を続けること。2020年は、もともと在宅勤務だった私に加え、夫も在宅勤務が多くなりました。今思えば、4〜5月の緊急事態宣言下の日々は、“夫婦ダブル在宅勤務”の開幕戦とも言える時期。4歳の子どもの幼稚園休園に伴い、子守り&増加した家事&仕事をこなすあの日々は、正直思い出したくもないほどしんどかった時期です。

でも、あの時に我が家にいったい何が起こっていたのか、どうしたらよかったのか、振り返っておかないと、また同じようなことが起きてしまうのかもしれない。これからの自分たちのために振り返ってみたいと思います。


執筆:星野美佳
社会課題解決に取り組む人のための社労士事務所「サステナ」代表


●夫婦ダブル在宅勤務+子守り。“緊急事態”なのは、私のキャパシティ

緊急事態宣言が出された2020年4〜5月、我が家で起きていたのはこんなことでした。
・4月頭に家族で風邪をひき、「新型コロナだったらどうしよう」という危機感と緊張が高まる
・夫の仕事もトラブル対応などで大変
・子どもの面倒をみながら、日中に自分の仕事をすることができない
・夫の仕事の電話、オンライン会議の時に子どもを静かにさせなければ、と気を遣う
・家事が増加。夫婦間での分担もできていない
・夜間や休日に仕事。休まる時がない
・子どもも怖さを感じて外に出たがらず、ママにべったり
・自分の時間をつくれないことのイライラが募る

私も夫も在宅勤務ができるのは、とてもありがたい環境です。一方で、いつもは日中一人で家で仕事をしていた私。家族全員がずっと家にいて、ケアが必要で、その中でも仕事をしなければいけない、という状況は、私にとっての“緊急事態”でした。夜や土日に仕事をする持続不可能な生活を送って、メンタル的にも疲弊していました。

今思えば、「ステイホーム」で家族全員がずっと家にいるのだから、家族ケアを担う人の負担が増して、処理能力がパンクするのは当然のこと。でもあの時は、「私、今すごく大変!無理!」と弱音を吐くことも、自分の状況を客観視することもできませんでした。もっと大変な人もいるんだから、と目に見えないプレッシャーを感じて自分の感情にまで蓋をしていました。

あの時の自分に言ってあげたいのは、「今何がしんどいか、どんな選択肢があるか、誰かに話しながら棚卸ししてみるといいよ」。解決はしなくても、自分の状況を客観的に認めてあげるだけで、心の負担が少しは軽くなったはず。

●あらためて振り返る、できた工夫とできなかった工夫

当時、私の状況をメールの文面から察してか、ありがたいことに、数人の方が「こんな工夫あるよ」「うちではこうしてるよ」という助言をくれました。

例えば、
・1日のサイクル、ルーティーンをつくる
・子どもが集中して取り組めることをよく観察して、隙間時間をつくる
・仕事を一人で抱えず、チームでやれるように、助けてもらえそうなメンバーを募ってみる
・料理、掃除は頑張らない
・諦める
など。

こうしたやりとりからヒントや協力をもらって、一人でやろうとしていた仕事をチーム制に切り替え、数人でシェアすることで、業務の分担もメンタル面も大きく救われました。

今考えれば、自分や子どもの生活リズムにおいても、これならやれそうだなあ、という選択肢はたくさんあります。でもあの時は、頭では「もっとこうしたらいい」と考えるものの、体調も子どもの気分も思うようにならなくて、はがゆい思いをしました。

「夫婦でダブル在宅勤務」を快適にするためには、
・保育所等を利用して保育と仕事を切り離す
・お互いが自律/自立する
・子どもが家にいる時は騒がしいことを電話や会議の相手にもわかってもらう
・普段から家事を分担する
という前提条件のもとで、生活のリズムをつくっていくのが必要だと痛感しました。

●狭い家に引っ越して、いる?いらない?が見えてきた

2020年夏に、福岡から神奈川に転居しました。家賃相場の違いもあり、家の間取りは3LDKから2LDKへ。部屋が一つなくなる!という危機感から、モノをだいぶ捨てました。

狭い家でのダブル在宅勤務はどうなることかと思いましたが、意外に快適に暮らせています。夫はせっせと自分の環境を整え、机・いすをコンパクトなものに変えたり、大きめのモニター画面を設置して小さなモバイルPCを快適に使えるようにアレンジ。私はダイニングテーブルで十分仕事ができ、仕事の資料もほとんど必要ないことが判明。お互いに、仕事環境に必要なもの、必要ないもの、が少しずつわかってきました。

子どもの幼稚園の長期休みや病気の時には、夫婦ダブル在宅勤務&子守り、という状況が再現されますが、今は、
・優先順位をつけて一部諦める
・日中に少し時間をつくってもらう(夫と交代したり、テレビの力を借りたり)
・掃除、料理はこの日はしない、と割り切る
という感じでボチボチやっています。

まだまだ、ステイホームで家庭の負担は大きく、我が家も課題が満載ですが、自分がやれること、やれないこと/パートナーがやれること、やれないこと、を分けて、自分や相手を責めるのではなく、その状況を客観的に見つめることから、一歩一歩進んでいきたいと思います。

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