小野梨奈さんとの「働き方」のお話(第1回目)

2013 / 4 / 8 | カテゴリー: | 執筆者:EcoNetworks

今回は、エコネットワークスのプランナー/運営パートナーの小野梨奈さんに、働き方についてお話をうかがいました。

北海道函館市に生まれた小野さんは、女性向けWebメディアの編集者を経て、2006年にWebプロデューサーとして独立されました。現在は、Webサイト・コンテンツの企画・制作からプロモーション立案を手がけるほか、ライターとしてインタビュー取材もされています。

ご関心のあるテーマは、「一人一人が望む多様な働き方、生き方を平等に選び実現できる社会にするために、必要なことを考え、行動していくこと」。その活動のひとつとして、2009年に女性フリーランスをつなぐプラットフォーム「Rhythmoon(リズムーン)」を立ち上げ、フリーランスという働き方に関する情報を発信されています。

2月中旬の昼下がり、場所は、仙川駅から歩いて約7分、実篤公園の手前にあるniwa-coya(ニワコヤ)。窓の外の雨音に耳を澄ませていると、元気な笑顔で小野さんがやってきました。それから1時間と少しの間、ゆったりとした時間が流れる中でお話をうかがいました。

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硲:これまでどのようなお仕事をされてきたかお聞きしたいのですが、以前はオンラインメディアの会社で働かれていたのですよね?

小野:はい。もともとウェブに興味があって。私が就職活動をしていた2000年から2001年は、ちょうどネットバブルの頃でした。いろんなサイトや女性向けのメディアが立ち上がっているのを見て、インターネットがあればこれまでは会う機会もないような人とつながったり、情報交換できることが衝撃的で。ウェブという媒体で何かおもしろいコンテンツやサービスを企画してみたいなと思っていました。ただ当時、ウェブの会社は小さなベンチャー企業ばかりで新卒採用はしていませんでした。なので、いつかウェブの仕事につながるといいなと思いながら、はじめはIT企業に入社したんです。社風や一緒に働いている人たちが面白くて、それはそれで毎日楽しかったのですが、次第に、一日の中でこんなに長い時間を仕事に充てるのだから、心からやりたいと思える仕事をしたいと思うようになって、結局、1年でその会社を辞めることにしました。

そしてやっぱりウェブの仕事がしたいと思って転職活動をスタート。もともと読者として大好きだったメディアを運営している会社が編集アシスタントを募集していたので応募したのですが、もう決まった後でした。でも、働くなら絶対にそこがいいと思っていたので、手書きの手紙を送って、どうしても入りたいことを伝えました。するとしばらくして、タイミングよく空きがでて働けることになったんです。このときはとってもうれしかったですね。ここでは3年働いたのですが、今の私があるのはこの3年があったからというくらい、いろいろなことを勉強させてもらった密度の濃い日々でした。たまに辛いこともありましたが、やりたい仕事だったし、憧れの職場だったので、仕事が嫌で辞めたいと思ったことはありませんでした。

そんな会社を辞めようと思ったのは、会社員としての働き方に違和感を感じるようになったからです。だけど、辞めて他に行きたい会社があるわけでもなかったのでどうしようかなと思っていたときに、会社の先輩が「外注で仕事を受けて」と声をかけてくれて。なんの準備もなくフリーランスになってしまったので、最初は大変で、それこそ請求書の書き方もよくわからないし、フィーが数カ月後に振り込まれるというのも知らなかったし、自分の無知さに愕然としました。

さらに、会社を辞めた2日後に長男の妊娠がわかって、いきなり妊婦生活とフリーランス1年生が同時進行に。育休とか産休とか、フリーランスはどうするんだろうとか、本気で疑問に思ったりもしたのですが、そういうことをきける人が周りにいなかったんです。その時、フリーランスの人とつながって情報交換できたり、これからフリーランスになりたい人に向けて、先輩フリーランサーの経験やノウハウなどを集めたサイトがあったらいいのにな、と思ったのが、今運営しているリズムーン(Rhythmoon)立ち上げにつながっています。

硲:今は仲間がたくさん集まられているみたいですね。

小野:そうですね。最初はmixiの「フリーランスの母」というコミュニティからスタートしてるんです。試しにつくってみたら結構たくさん集まったので不定期でオフ会を開催していました。そのときに出会った人とは、仕事でのつながりだけでなく、プロジェクトメンバーとして、友だちとして今も緩くつながっています。

硲:そういう仲間がいると心強いですね。リズムーン(Rhythmoon)のインタビュー、どんどん増えてきていますね。「フリーランス女性100人・100通りの生き方」というタイトルで、もうすぐ100人になりそうですね。

小野:そうなんですよ。今4年めに突入して、今後どのように展開していこうかと考えているところです。いろいろ構想中なのですが、信頼できる仲間と一緒にリズムーンとして仕事を受注したり、仕事をシェアできるような仕組みをつくれたらいいなと考えたりしています。

硲:それは楽しみですね。

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