ENW Lab.
「大原野」を発信するローカルメディアを立ち上げました
エコネットワークス(ENW)が運営するコミュニティ、TSAでは「サステナビリティファンド」という仕組みを設けています。TSAに参加するパートナーが自身や社会のサステナビリティにつながる活動をしたいときに、資金面から取り組みを応援する制度です。
俣野 麻子さんは、ファンドを活用し自身が住んでいる「大原野」を日本語と英語のバイリンガルで発信するローカルメディアを立ち上げました。
執筆:俣野 麻子
京都府在住の翻訳者・通訳ガイド。
大原野との出会い
みなさんは「大原野」という地名を聞いたことがありますか? 大原野は京都市西京区にある地域なのですが十中八九、左京区の「大原」と間違えられます。実は私も、あるときたまたま足を踏み入れるまで大原野のことは全く知りませんでした。大原野は京都の中でも閑静な地域で古い歴史、豊かな自然、季節の農産物などに恵まれています。そんな大原野に初めて来たとき、のどかな景色に心が和み「こういうところに住めたら良いなあ」と自然に言葉が出てきて2013年12月に移住し、現在に至ります。
ここは本当に住み心地が良く、散歩したり窓から外を眺めたりするたびに「ここに住むことにして良かった」と感じます。訪ねてきた友人も「良いところだね」と、気に入って帰ってくれます。この体験から、より多くの人に大原野の良さを味わってほしいと思うようになりました。
フリーペーパー『ひらけ!大原野』を創刊
そこで、2015年にグラフィックデザイナーの夫と一緒に『ひらけ!大原野』というフリーペーパーの発行を始めました。「無人販売所」や「古木」といった、毎号異なる特集で2017年まで出し、フリーペーパーならではの良さを感じる一方で、次第に「紙を手渡せない海外の人にも情報を届けたい」と思うようになりました。それで、ウェブサイトを作ることにしたのです。
ウェブサイトを一から作るのは初めての経験だったため、いざ始めてみると試行錯誤が続き、なかなか進みませんでした。やるからには、まず地域の人にある程度認知されることが大事だと考え地域のお店を回り、自分たちがやろうとしていることを伝え、応援してくださる方を増やすことに時間をかけました。様々な方と話したり、市や区が主催するまちづくり関連の講座を受講したりする中でサイトの方向性がはっきりしていったと感じています。こうした経緯を経て、2022年3月にoharano.jpが誕生しました。
インバウンド(訪日外国人)向けの公式サイトに選定されました!
サイト開設後は、少しずつコンテンツを増やしながら運営を続けています。公開から1年後の今年2023年には京都西山・大原野保勝会や京都市観光協会から連携依頼が舞い込み、oharano.jpが京都西山・大原野保勝会のインバウンド(訪日外国人)向け公式サイトになりました。地域活性化の原動力となり、観光の分散化に一役買えればと考えています。
また、観光庁の「地域観光資源の多言語解説整備支援事業」の実施地域にも選定され、観光庁から派遣された英語のネイティブライターに観光資源の解説文を書き下ろしていただけることになりました。来年2024年には、コンテンツを大幅に拡充する予定です。
私自身も、より深く地域のことを知り、案内できるようになるために京都市認定通訳ガイドの資格を取りました。これからも地域を盛り上げる担い手として、いろいろな方と連携しながら、できることを続けていきたいです。