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フランス人の田舎への憧れfromフランス
2013 / 10 / 13 | カテゴリー: サステナブルな暮らし方と働き方 | 執筆者:EcoNetworks
モノにあふれ、便利で、流行の最先端を突っ走る都会での生活。
一度は誰もがそんな生活に憧れるだろう。
でも、いつの日からか、周りのスピードに合わせようと、
必死にもがく自分がいる。
2012年10月のある調査によると、
5年間のうち178,000人がパリを去り、
住民の80%がパリ脱出を考えているという。
フランスの企業には、「普通社員」の他に、
少数の「エリート社員(cadre)」がいる。
大学よりレベルが数段上のグランゼコールを卒業している者は、
ほぼ間違いなく入社時からcadreとしてエリート路線を進む。
つまり、高給が保障される代わりに、労働時間に関係なく働くことになる。
「仕事さえ終わっていれば、都合に合わせてバカンスが取れる」、
と言えば聞こえが良いが、
「終わるまでは全てお預け。仕事は家に持ち帰り、
携帯電話も手放すことができない。」というのが実情だ。
大企業がひしめく大都会から去っていく者の中には、
私生活を犠牲にしながら日常のストレスに潰されそうになった、
元cadreが大多数を占めている。
パリを脱出するということがただの転職を意味するのではなく、
人並み以上の財産と保障された一生を捨てるという意味を指し、
間違ったら、ピラミッドの底辺に転げ落ちる可能性もあるということ。
エリート職に未練も残さず、自分の選んだ道に進んでいくその潔さに脱帽!
(バジル尚美@パリ)
*本コラムは、エコネットワークスが毎月発行するニュースレターの
「サステナブルワークスタイル・コラム」から転載しています。
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