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ENWカフェvol.4 「多様性リテラシーを高める〜世界に通用する表現/しない表現勉強会〜」開催報告
6月11日に、
「多様性リテラシーを高める〜世界に通用する表現/しない表現勉強会〜」
を開催しました。
SNS等の普及を通じて、
「◯◯社が発表した広告に批判が相次いでいる」
といった話題を目にすることが増えたと思いませんか?
世界で「人権」に対する意識が高まるなか、
情報発信において
「多様性」に対する表現は特に配慮が求められるようになっています。
今回の参加者は、人権研修を行う企業や人権NGOの方など。
問題になった事例について
実際の広告や動画を見ながらディスカッションしました。
まずは日本の事例から。
女性=家事・育児、男性=仕事という役割を固定化するものや
行き過ぎた風刺表現など
参加者の皆さんから見ても「これはなんだか嫌ですね」と、
問題になる理由が比較的分かりやすいものが多いようです。
一方で海外の事例となると、どこに配慮が求められるのかすぐには分からないものも。
例えば・・・
・モデルの健康管理、多様性
行き過ぎたダイエットを助長するとして、
細すぎるモデルが登場する広告が批判されました。
フランスではやせすぎたモデルを禁止する法律が施行されています。
それに対し、Plus-size model(ふくよかなモデル)が
世界的に注目されているとのこと。
ちなみに、2016年春のパリコレではH&Mが
Plus-size modelのほか、白人以外の人種、中年女性やトランスジェンダーのモデルを起用し、
ランウェイ上での「多様性」に配慮したことが話題になっています。
・先住民族への配慮が足りない
オーストラリアの祝日Australia Dayは
入植を目的としたイギリス人が上陸した日。
ラム肉で祝うそうですが、先住民族にとっては侵略が始まった日でもあります。
2016年のAustralia Dayにあわせて
ラム肉をPRする会社が軍事作戦風のCMを展開しました。
しかし、架空の作戦を「オペレーション・ブーメラン」と名付けたことが問題に。
先住民族が使ってきた狩り道具であるブーメランを
入植を祝う日の広告に使ったことが配慮に欠けるとして批判されました。
問題となった表現は、
背景にある社会課題の現状や
各国の歴史・文化を現地の人々がどのように捉えているのを
理解していなければなかなか気づきにくいものです。
他に共有された事例は障がい者や子ども、動物福祉、ジェンダーなどで、
業種も食品、おもちゃ、小売など多岐にわたりました。
勉強会の最後には、
「人権『侵害』と人権『表現』に関する問題は、全く別レベルにある。表現の場合グレーのものも多いため当事者の視点を取り入れることが大切だと思う」
「表現に問題があると気付ける人が社内にいるか。気づいた時に言える風土であるかがポイントでは」
「グレーな表現があった時の対応について一貫した指針を用意しておくことが必要だと感じた」
など、参加者の皆さんそれぞれの視点から気づきを共有いただきました。
また、「事例が幅広く、とても勉強になった。今後も新しい事例について勉強会を開いてほしい。」
とうれしいお言葉もいただきました。