ENWカフェvol.3 「羊の国ニュージーランドで見た、考えた!個が輝ける社会のあり方・働き方」開催報告

2016 / 4 / 9 | カテゴリー: | 執筆者:EcoNetworks Editor

エコネットワークスでは定期的に、私たちのお仕事仲間
つながりのある方をゲストにお招きして、
社会課題、働き方、ライフスタイルのことなど
サステナビリティに関わる幅広いトピックについて語る
ENWカフェを開催しています。

4月2日(土)、第3回を開催しました。
ゲストは、約10年に渡ってENWの代表を務めてきた小林さん
3月31日をもって代表を退任し、
今後1〜2年はニュージーランド(NZ)の大学院にて
研究活動に専念されます。

今回のお話のタイトルは、
「羊の国ニュージーランドで見た、考えた!
個が輝ける社会のあり方・働き方」。

人より羊が多い国と言われるNZですが
小林さんが見たNZはどのような社会なのでしょうか。

当日の話題の中からいくつかのキーワードをご紹介します。

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・多文化社会

NZは常に人の移動が起きていた国です。
マオリと呼ばれる先住民族がポリネシアから移住したのがおよそ1,000年前で、
その後、約400年前からヨーロッパからの移民が流入。
近年はアジアからの移住者が多く、
中国人は人口の4%を占め、
インド人も郵便局やデイリーといったお店でよく見かけるそうです。

街の看板は、マオリの言葉と英語が併記されています。
小林さんの経験では、
大学で参加したカンファレンスの際、
開始前にマオリの祈りの儀式が行われたことがあったとか。
これもNZ社会では特に珍しいことではないそうです。

・Practical

小林さんがNZに移住して約3年。
日常生活や研究活動を通じて、
NZでは「Practicalであること」
つまり形式よりも実用性が好まれるように感じると言います。

ビザの申請、子どもの学校とのやり取り…
さまざまな場面で感じられる実用性。
これは労働時間の短縮にもつながっているのかもしれないとの考察です。

・Kiwi Husband

NZの国鳥であるキウイはオスが子育てをします。
これになぞらえてKiwi husbandという言葉があるように、
男性が家事や育児をするのは一般的。

これは、産業構造が日本と異なり、
会社員よりフリーランスや自営業の人が多いのも
ひとつの要因であるようです。

・移動に抵抗がない

家は3年住んだら長い方。転職回数は生涯で6回ほど。
学校での勉強の仕方は通学だけでなく、
途中でホームスクーリングに変えることができるそうです。

変化に対する抵抗が少ないそうで、
状況に応じてベストの選択をする姿勢はPracticalさにも
つながるように感じられます。

後半は、
The Economistによる
The glass-ceiling index(「ガラスの天井」調査)を
NZと日本で比較しました。

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写真:NZX Top100の女性取締役比率は14%。
日本で関連する指標を探すと、
TOPIX構成企業1858社の女性取締役比率は1.5%でNZの10分の1。

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写真:NZでは男女の賃金格差が話題。こちらは労働組合の中央組織にて。
女性にとって10ドル紙幣は8.8ドル、つまり12%の賃金格差を示しています。

今回の参加者は全員お仕事でご一緒するTSAパートナーでした。
小林さんとは10年前からのお付き合いという方から1年程度の人まで
関わり方も専門分野も様々で、
それぞれの視点からの問いかけや共有も興味深かったです。

小林さんはこれから
これからの経営と「個のサステナビリティ」を結びつけること
をテーマに研究を進めていくとのこと。

日本企業と個の関係はどのように見えるのでしょうか。
いつか研究結果を聞かせていただく日を楽しみにしています!

ENWパートナー:近藤圭子

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