ENW Lab.
野澤健 インタビュー(その2)
硲:仕事に必要なスキルはどのようにして身につけてきましたか?
野澤:エコネットワークスの仕事では、セルフマネージメントや
マルチタスキングなどの能力が特に重要ですが、これらは、
学生時代にサークルの幹部やNPOの代表をしたり、
学園祭で料理店の店長をしたりするなかで、身につけてきました。
ビジネスの場合は、ある程度お金でつながっている関係があるので、
割り切ってできるところもありますが、学生時代のお金が絡まない関係では、
いい意味で「素の」人間同士のぶつかりあいがどうしても生じます。
これは、いい経験でした。それと同時に、
会社組織で働いたり本を読んで勉強したり、という知識を得ることと
実際に自分でやってみることがつながっていたのがよかったと思っています。
僕は、一つの分野の専門家になりたいとは思ったことがなくて、
どちらかというと色々なことに携われるジェネラリストを
志向しています。だから、何か一つのことに向かって
一生懸命に頑張るというやり方は苦手です。
自分の関心に応じて、ある時はこっちを頑張ったり、
こっちが違うなと思ったら違うほうに行ったり、
という余地を作って、多面的なやり方を無意識にしてきたと思います。
一つの分野で一番にならなくても、その分野でもっとできる人がいれば、
その人に任せればいいと考えます。しかし、この分野がわかっていても、
他のこの分野のことはわかる人が少ない、ということがあります。
そういうところをつなぎ合わせる、「万能歯車」のような存在を
目指すのが、自分の性に合っていると思っています。
硲:野澤さんにとって、「サステナブルな働き方」とは
ひと言で言うと、どのような働き方を意味しますか?
野澤:「無理なく豊かである」働き方です。
ここでの無理とは、自分自身、家族、環境、社会、様々な側面を含みます。
ただまだ「100%これだ」というものが見つかっていないので、
これからも考え続け、実践していきたいと思います。
硲:個人として、プロフェッショナルとして、社会の一員として、
今後どのようことを目指していますか?
まずは今住んでいる地域の人達との接点をもっと作っていきたいと
思っています。
それから、自宅の近くで働ける物理的な場所とコミュニティを作って、
色々なプロジェクトを企画していけたらと思います。
幸いなことに、自分は今やりたい仕事ができていますが、
自分だけが満足していても決して幸せではないと最近強く思います。
今後は、働き方の面で、社会に貢献していきたいと考えています。
エコネットワークスの仕事仲間のプラットフォームを整えたり、
これまで実践してきた時間や場所にとらわれない仕事術を
体系化して発信したり、仲間と働き方に関するプロジェクトに
取り組んだりしていきたいと思っています。