野澤健 インタビュー(その1)

2011 / 7 / 6 | 執筆者:EcoNetworks

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硲:プロフィールに「自分がやりたいこと、好きなことを
ずっとやってきて、出会ったのがENW」とありますが、
野澤さんの現在のお仕事から遡って、やりたいこと、
好きなことを過去にたどっていくと、最初の原点は何ですか?

野澤:原点はフランスにいた小学生の頃です。フランスの学校では、
多様な人種の子どもたちが学んでいましたし、勉強の内容はもちろんのこと、
水曜日は午前中のみだったり、学校行事がほとんどなかったりと、
色々なことが日本と違いました。また休みが長く、陸続きなので、
あちこち旅行に行っていたのですが、場所によって文化や人が違うことを
幼いながらに知りました。働き方に対する考え方も日本とは異なり、
親は会社員でしたが、フランスに住んで価値観が変わり、帰国後しばらくして
仕事を辞め、農業を始めました。その頃から、ネクタイを締めて、
満員電車に乗って、という生活は嫌だな、と思っていました。

高校1年生の時に国際交流キャンプに参加して、日本全国、世界各国の
参加者と、平和や環境について話し合い、様々な価値観に触れました。
視野が広がり、また、文化が異なる人との共同作業をする
難しさと楽しさを学びました。

大学生になって、NPOやサークルの運営に携わることで、
組織やチームをマネジメントすることや、他の人の想いを形にすることを
サポートするのが自分は好きなのだと分かりました。
こうした経験が今の仕事につながっています。
エコネットワークスに出会ったのは大学生の終わり頃です。
エコネットワークスでは、環境だけではなくサステナビリティという
広いテーマに関わることができ、組織の壁を超えて仕事ができるところ、
自身で創りだしていくところが、まさに自分のやりたいことに
ぴったりでした。

硲:やりたいことや好きなことがなかなか見つからないという方も多いと
思うのですが、見つけるためのヒントがあれば教えていただけますか?

野澤:私の場合、何かを決断する際、これをやるとこうなると理論的に
考えたり、とりあえず経験になるからと気が乗らなくても無理に
納得させたり、ということはあまり好きではありません。
決断するときは、ある程度まで頭でシミュレーションはしても、
最終的には、どれだけ自分の気持ちに素直になって、
自分が好きかどうか、自分がどう感じるかを一番大事にして、
決断をしていました。特に学生の時期は失敗してもいいから、
その時々の出会いを大事にして、色々な縁やきっかけで人や機会に
巡り会ったら、自分の気持ちを確認して、まずはちょっと乗っかってみる。
そして、実際にやっていく中で自分がどう感じるかを振り返って、
ここだなと思ったら続けて、ちょっと違うと思ったら離れて、
というやり方をした結果、いい蓄積ができたと思います。

それから、目の前のことを大事にしつつも、時々、自分がしてきたことを
大きな視野で振り返ることが大切だと思っています。学生の頃は特に、
年末年始や誕生日などの区切りに、手帳を見返して、半年程度を振り返り、
自分がしてきたことを振り返ったりしていました。
「人生のバイオリズム」を書いたりもしています。
これは、縦横の軸を取って、左端が生まれたときで右端が現在、
上が「ポジティブ」で下が「ネガティブ」、というように
人生における気持ちの波を図式化したものです。
エコネットワークスの合宿でも、みんなで共有したことがあります。
何が自分にとってのターニングポイントだったのか、どういう要素があると
自分がポジティブでいられるのか、などが分かり、
これからどうしていきたいのかを考える場合にも役立ちます。
それから、一緒に話していると自分のやりたいことが見えてきたり
刺激をもらえたりする人が何人かいるので、そういう人と
定期的に会うようにしています。
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自分の気持ちと向き合う際には、考える「場所」が重要だと感じています。
たとえば落ち着いたカフェや、ガヤガヤしている街中を歩きながら、
夜の公園など、自分なりの「スポット」をみつけます。
エコネットワークスでは、タームごとにリフレッシュ休暇が取れるので、
一日休みをもらって江ノ島に行って、海を見ながら
「自分は何をやりたいんだろう?」
と考えたこともありました。(答えは出ませんでしたが。笑)
それから、農作業をして手を動かしながらというのも好きです。

気をつけているのは、無理に答えを見つけないこと。明確な答えが
出なくても、何となく「こっちかな」って言えればよしとしています。
無理に答えを出そうとすると間違った方向に行ってしまう気がするからです。

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