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木村ゆかり インタビュー (その2)
硲:木村さんにとって、「サステナブルな働き方」とは、ひと言でいうとどのような働き方ですか? 反対に、「サステナブルではない働き方」とはどのような働き方でしょうか?
木村:「サステナブルでない働き方」とは、違和感を感じながら働くことだと思います。昔、あまりの忙しさに、完全に一人になって休みたいと思ったことがありました。そこで、日常とかけ離れた場所に行き、1泊2日のワークショップに参加しました。自己マネージメントを学び、自分について振り返るというワークショップでした。そしてゆっくりと自分のことを考えると、その当時の働き方を続けたくないと思っていることに気がつきました。それにいったん気がついてしまうと、もうその働き方を続けることはできませんでした。当時、仕事は安定していたのですが、そこから抜け出して、自分に正直になれる方法を探し始めました。
硲:自分の中の違和感に気付くには、どうすればいいでしょうか?
木村:サステナブルでない働き方を続けていると、自分のことをゆっくり振り返る時間がなかなか取れないと思いますが、そういう時間を作ることが大切だと思います。
自分の中の違和感は、どこかで感じていても、生活の安定などの理由で自分をごまかしてしまいがちです。そうした生活を続けていくのが必ずしも悪いことだとは思いませんが、私にとってそれはサステナブルな働き方ではないと思っています。
他人のことについては、こちらから見ると違和感を感じているのではないかと思っても、本人にとってはそれでいいのかもしれないとも思います。というのは、違和感があれば、それに気がつく時期がそれぞれあるのだと思います。その時に自分のことをゆっくり考え直すことができればいいし、そうでなくても、その場合は自分でまだいいと思っているのかもしれません。人に言われて、というより、自分の中から出てくるような気がします。