ENW Lab.
日中働き方ワークショップレポート
「日中市民社会ネットワーク(CSネット)」さんとのコラボ企画、
「日中働き方ワークショップ」を、リアルで8名、Skypeでのバーチャルで3名の計11名で開催しました。
CSネットさんは、NGOやNPO、社会起業家、研究者や活動的な市民を対象に、
「個」と「個」をつなげることで新しい日中関係を築き、
深めていこうという草の根活動をされている団体です。
まずは、アイスブレークもかねて、
「こんなとき中国人なら/日本人ならどう反応する?」ということで、
・ミスをした部下をどうしかる?
・彼女と上司と3人で食事をしたときに誰がお金を払う?
・中国人は日本で大量のおみやげを買って帰るのはなぜ?
といったテーマでディスカッションをして
日本と中国の文化や考え方の違いについて軽く共有しました。
(軽くのつもりが冒頭から白熱していましたが、、、)
次に、「働く」をテーマにENW代表小林が自身の中国との仕事経験を共有し、
「個」「礼」「優」の3つの漢字を取り上げ、
・仕事において「個」と「チーム」をどのようにとらえるのか?
・仕事での「礼」のつくし方、実践のしかたに違いがあるのか?
・仕事仲間への「優」しさや思いやりとは?
をテーマに、議論がスタートしました。
その中で改めて認識できた中国の文化、人々の考え方の特徴として、
・メンツを大事にする
・自己主張は自己表現のひとつ。自己表現できる人は能力があるとされ、評価される。
・中国人はプロセスよりも結果を重視する
・「個」と「個」の距離感がとても近い
などがあげられますが、個人的に興味深かったのは、
11歳のお子さんがいて母でもあるCSネット代表・李さんの
中国流子育てエピソードです。
・ルールは人為的に作られたものだから絶対ではない。状況にあわせて自分で判断するものだ
・必ず勝つ人と負ける人がいるのは当たり前、産まれて平等というものはない。
・勝ちにこだわりながらも、競争相手とどうよい人間関係をつくっていくかがが大事。
といったことを日頃からお子さんと話されているそう。
とくに、競争意識については、和を尊び、出る杭は打たれる日本では
表面的にはよい関係が作れているように見えても、裏でいじめに発展していることはないのだろうか、
といった議論にまで発展しました。
さまざまな側面から、日本と中国それぞれの文化の違いや、その垣根を越えて
どんなスタイルを築いていきたいか、について意見交換を行うことができました。
中国人の合意形成のプロセスについてもその違いを理解できれば、
現在の領土問題についても、
違ったアプローチで解決の方向へと持っていけるのではないか、とも思いました。
はからずして、日中関係が非常に緊迫し、テレビでは半日デモの様子が
連日報道されていたタイミングでの開催となり、
どのような議論になるのかなとドキドキしていたのですが、
「個」と「働き方」という視点をベースに幅広いテーマについて議論を交わせた有意義な時間でした。
今後も、よりテーマを絞ってより深めていく方向で
第2回、第3回……と開催していければと考えています。
関心のある方は、ぜひご参加ください。