ダイバーシティなごみ拾い

2022 / 3 / 16 | カテゴリー: | 執筆者:EcoNetworks Editor

エコネットワークス(ENW)が運営するコミュニティ、TSA(Team Sustainability in Action)では、「サステナビリティファンド」という仕組みを設けています。TSAに参加するパートナーが自身や社会のサステナビリティにつながる活動をしたいときに、資金面から取り組みを応援する制度です。

TSAパートナーの田附 亮さんは、ファンドを利用して“ダイバーシティなごみ拾い”を行なったそうです。どんな活動だったのでしょうか?

※TSA(Team Sustainability in Action):
ENWに関わるパートナーのプラットフォーム。サステナブルな働き方や暮らし方を志向する個人が集う、学びと実践の広場。
参考記事 サステナブルな価値を生み出す「広場」としてのTSA

※サステナビリティファンド:
参考記事 ファンドに背中を押されて始まる等身大のサステナビリティ


執筆・撮影:田附 亮
(一社)LGBT-JAPAN代表理事。生物学的には女性で生まれるが、自身の事を男性として認識しているトランスジェンダー男性。2006年にホルモン治療を開始し男性化し、2009年に乳腺乳房摘出手術、戸籍上の名前を亮子から亮に変更。2015年に「LGBT-JAPAN」を設立し、現在は代表理事として社会とLGBTsの架け橋となり、多方面で活動や講演を行っている。


参加者の集合写真

サステナビリティファンドを活用して、2021年9月26日に「ダイバーシティなごみ拾いvol.1」を開催しました。

LGBTsの当事者性を持った人たちが、自分たちの権利の主張のためだけに活動するのではなく、社会に貢献できる活動をする。それによって、双方にとって効果的な結果が生まれると信じています。

何をするにも活動するにも、この地上があってこそ。LGBTs当事者性をもった僕たちは地球の危機にもっと敏感になり、世界各地でパレードをするだけではなく、LGBTsのネットワークを地球規模で貢献できる何かに還元すべきだと考えます。

国によってはカミングアウトが命に関わる国もありますが、そうではない国も増えてきています。特に日本はそういった面では寛容です。個人レベルでまだ差別や偏見があるというLGBTs当事者もいますが、社会を変える前に僕たちも変わるべきところはあります。

相手を変えたければまず自分が変わること。そのきっかけがごみ拾いなのです。

今回、サステナビリティファンドのおかげで、ダイバーシティなごみ拾いを実現することができました。今回は1回目として試験的な実施でしたが、身近なつながりから、総勢12名のいろいろなセクシャリティ、立場、年齢、国の方々が参加してくださいました。

継続して実施するために、ごみ拾い用のトング、それを入れる大きい袋を購入。さらに、サステナブルな商品も購入し、参加した方の気づきのきっかけにすると同時に、販売している企業様への応援にもつなげました。

ごみ拾い用トング

ごみ拾い用トング

黄色い包装に入った竹の歯ブラシを手持ちで撮影

ファイン株式会社様の竹の歯ブラシ。土に還ります。

記念すべき第一回目は神奈川県の湘南海岸で実施しました。江の島西海岸を中心に、2時間かけてごみ拾い。全員ごみ拾い未経験者で実施し、様々なごみと出会いました。

・タバコの吸い殻
・ペットボトルや缶
・夏の思い出(花火など)
・不法投棄された壁の残骸やネジ、ボルト類
・お菓子やガラスの破片
・店内装飾に使ったであろう装飾品の残骸
などなど……。

拾っている様子

いっぱいになったごみ袋の山

一番多かったのはマイクロプラスチックです。トングでは拾いきれなくなり、途中から軍手で手づかみで拾うことに。周りをみるとごみ拾い団体の先輩方がいたので遠目に観察させていただくと、ザルで濾してマイクロプラスチックを拾っていました。「頭いい!!」と感心し、ザルを早速購入。次回から使えるようにしました。(ごみ拾いへの取り組み方が雑で恥ずかしい限りです……)

ごみ拾いだけして終わりではもったいないと思い、帰りに、神奈川県藤沢市にあるエコストア パパラギさんにお邪魔しました。ファイン株式会社様の紹介で、パパラギさんを通して、竹の歯ブラシを購入した経緯があります。店内では環境に配慮した様々な商品を取り扱っており、洗剤やシャンプーなどの量り売りや、体に優しい消しゴム、無農薬のお茶など、あげたらきりがないほどです。海で拾ったマイクロプラスチックをパパラギさんに持っていくと、地域の障がい者団体へお願いし、アクセサリーなどにしてくれるとのこと。どこからどこまでも、サステナブルなお店でした!!店員さんと仲良くなりすぎてしまい、その後パパラギさん主催の研修に参加することになりました。

ファンドのおかげで、より海に、地球に貢献できる活動のきっかけをいただきました。今後はダイビングライセンスも取り、海の中もごみ拾いもしに行こうと思います。

今回のごみ拾いで再認識したのが、未来の子どもたちが「きれいな自然環境があっていろいろな人がいていいよね」と思えるやさしい社会を残していきたいという想いです。より多くの人が環境に配慮した行動ができるように、まずはファンドのおかげでつながれたご縁を大切にし、LGBTs環境活動家として勉強を続けていきたいです。

 

田附亮さん

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