Author Archives: 二口芳彗子 Futakuchi Kazuko

About 二口芳彗子 Futakuchi Kazuko

翻訳部門を統括しています。石川県金沢市在住です。

忙しいほど、速く走れる?


ランニング雑誌として有名な「ランナーズ」6月号に、2011年度のオールジャパン・マラソン・ランキングの結果速報が掲載されました。写真はその号の新聞広告です。

2011年4月から2012年3月までの日本陸連公認コースでのフルマラソン大会の完走記録を集計し、性別・年齢ごとにランキングする企画とのこと。よく見ると、とても不思議なことが。年齢が上がるにつれてだんだんタイムが早くなり、なんと48歳が最速となっています。

これってどういうこと? しばらく考えて、ふたつの仮説をたてました。 

ひとつめは、市民マラソンは「年齢とは関係なく、速く走れる。」練習での走破距離、レース経験など、身体能力以外の部分がもたらす影響が大きいのではと考えたのです。

そしてふたつめは、「忙しいほど、速く走れる。」 タイムが速くなり始める28歳から最速の48歳まで、会社に勤めていれば仕事にも慣れ、責任も増えてきて、一番忙しい時期かもしれません。そんな中、でも走りたい。いっぱい走りたい。そうしたら、「速く走って距離を踏む」しかないわけです。

私のまわりにも、そんな人がいっぱい。でも、さほどつらそうでもなく、むしろ走ることでストレスも解消し、新たなエネルギーを得ているようです。体調やお天気を見ながら、ライフサイクルの中でじょうずにランニングを取り入れ、リズムをつけています。

私は始めるのが少し遅かった感もありますが、諸先輩を見習って、少しずつ速くなっていきたいなと考えています。

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働き方インタビュー:子育ても仕事も大切に第4回

第4回は英日翻訳者で数多くの訳書もあり、特に生物多様性や自然環境保全に関する分野でお仕事をお願いしています。弊社では翻訳のチェッカーでもあるDさんにインタビューしました。
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プロフィール:栃木県在住。保育園に通う4歳半と2歳のお二人のお子さんがあり、2002年よりエコネットワークスに登録。家庭菜園は2011年はお休み。今春からふたたび、じゃがいも、トマト、キュウリ、ナス、ピーマンなど、少量多品種を栽培予定。住んでいるところは夕立ちとカミナリが多く、夕方の水まきがいらないずぼら農法実践中。

<1日のタイムスケジュール>
基本は8:30~4:30が仕事。ただし、夜9:30に寝て、3:30起床、6時まで仕事する場合もある。合間を見て家事。煮込み料理をしたり、洗濯ものやお布団を外に出し入れしたりできるのがうれしい。子どもがいるときは仕事しない。

二口(以下F):今日はお時間をいただき、ありがとうございます。先日も下のお子さんが丈夫になって、ずいぶん楽になったとおっしゃっていましたね。

Dさん(以下D):はい、本当に。下の男の子は生後半年で保育園に入ったのですが、4月はならし保育、5~6月はほとんど行っていないという状態でした。身体が慣れるまで時間がかかりましたね。それからも、風邪を引けば必ず熱を出すという状態がつい最近までずっと続きました。

F:お子さんが小さくても、納めていただく翻訳は常にクオリティが高いので、いつも本当に驚いているのですが、どのように管理されているのですか?

D:万が一、子どもの体調が悪くなっても、徹夜で時間を捻出すればなんとか仕上げられるという範囲内で、お仕事を受けるようにしています。子どもたちのその時の体調や気質――私が仕事に注力しているのがわかるとやきもちを焼くので――にかなり制限されています。原文200ワードを1時間半、チェッカーの場合は30分で見積もって、実際にそれより足が出た分は早起きしてキャッチアップ、と言った感じですね。

F:なるほど。前にチラッとお聞きした、上のお嬢さんの育休中の過ごし方について、教えていただけますか。

D:育休を1年近く自主的にとったので、リビングに信頼のおける翻訳書の原書(英語)と訳本(日本語)を開いておいて、抱っこしながら、比較して読み上げたりしましたね。あと、英語の歌、マザーグースやクリスマスソングのCDをかけて歌ってあげながら、歌詞を覚えるようにしました。翻訳って文化的、宗教的なバックグラウンドを理解できていて初めて訳せるものもありますから。
それから、朝日新聞の天声人語やインタビューの「ひと」欄を声に出して読みました。子どもに聞かせることもできるし、読みながら、私はこのことばや言い回しを翻訳で使えてるかなと、考えましたね。育休中は翻訳調のことばから離れ、なるべく純粋な日本語だけに触れようようと心がけました。翻訳業界の中にいると、「これぐらいはしょうがないよね」という、翻訳のにおいがする部分が残ってしまうことがあります。そういう状況から抜け出るために、意識してやったトレーニングでした。

F:そのように心がけたきっかけは何だったんですか?

D:出産の前にナショナルジオグラフィックの通信講座を受講して優秀者になり、仕事で20本近くコラムの翻訳をさせていただいたんですね。その時に、仕上がってくる記事がものすごくいいんですよ。私たち翻訳者には原文から離れないでください、という指示なんですが、実際に記事になると、最初から日本語で書いてあったかのように読めるんです。翻訳者は編集までしてはいけないけれど、なるべく編集者さんの手をわずらわせない翻訳に仕上げるためには、と考えたんです。

F:効果はいかがでしたか?

D:産休明けにがらりと訳し方を変えましたね。類語辞典なども、ものすごく調べるようになりました。

F:育休中の努力、実を結んでいると思いますよ。訳を拝見していて、とても読みやすいと思います。これから産休に入られる方にメッセージをいただけますか?

D:「女性の品格」で有名な坂東眞理子さんの「坂東式ハッピーライフ両立力」に女性の人生を大きく3つの時期に分けていたんですね。
以下は前述の書籍よりの抜粋:
=====
ステージA:独身期 家族を気にすることなく、仕事に没頭するとき。自分へ惜しまず投資する。
ステージB:子育て期 ペナルティボックスに入るとき。仕事と家庭のバランスを一番うまくとる。
ステージC:再び仕事に全力投球。プライベートも充実し、人間的に磨きがかかる。
=====
そこにステージBは「仕事を辞めずに続けることで、その後の長い人生を充実させることができます。」とあったんですね。今は細くつなげればいいんだと、この本にずいぶん救われました。

F:そうですか。コーディネイターとしても、できないことはできない、だけどこれだけならできる、とはっきり言っていただいた方がいいですね。今はそういう時期なんだ、と私も考えていますから。引き受けていただいたお仕事のクオリティがすばらしければ、継続してお願いしていますし、今後仕事に配分できる時間が増えれば、がっつりお願いしたいと思いますよ。(笑)

今日は、出産を控えた方や、小さなお子さんをお持ちのワーキングペアレンツに、とてもいいメッセージをいただきました。本当にありがとうございました。

Photo by 癒しの空間

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働き方インタビュー:子育ても仕事も大切に第3回

「子育ても仕事も大切に」インタビューの第3回は英日翻訳者として数多くの訳書もあり、弊社では翻訳のチェッカーでもあるCさんにインタビューしました。
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プロフィール:埼玉県在住。高校2年、中学3年のお子さんがあり、2002年、エコネットワークスに登録。これまで環境、エネルギー、経済、生物多様性など幅広い分野で英日翻訳を担当。大型の案件ではチェッカーも務める。

<ある1日のタイムスケジュール(お子さんが小さかったとき)>
4:00 起床
4:00~7:00 仕事
7:00~9:00 朝食の支度、家事
9:00~12:00 仕事
休憩
13:00~15:00 仕事
15:00~22:00 子どもたちと遊ぶ、習いごとの送迎、家事、食事、お風呂etc.
22:00 就寝 子どもたちと一緒に寝る(6時間睡眠確保)

<一日のタイムスケジュール(現在、一日翻訳の日)>
5:00 起床
5:00~8:00 お弁当づくり、家事、送迎
8:00~12:00 仕事
休憩
13:00~18:00 仕事
18:00~19:30 夕食の準備、食事
19:30~21:00 仕事
21:00~23:00 塾へお迎えに お風呂
23:00 就寝

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ライフステージに合わせた働き方―家族の介護が必要になったら第3回

The first flower in January

Photo by Milica Sekulic

介護のあるワークライフバランス

介護についてブログを書こうと思う、と社内のメンバーに話したときに、「コツみたいなものを10個ぐらいにまとめてはどうか」とアドバイスをもらいました。3年半の介護生活の中でこうしてよかったとおもうことを、ワーク編、ライフ編、メンタル編にまとめてみました。

◆ワーク編

1. 仕事はつめこみすぎない。

病気の症状が安定しないときは特に、使える時間に対して70~80%の予定にしておきます。そして仕事の完成度100%を目指します。

2. 仕事に集中できるときは、他のことはしない。

時間があると思うと、あれこれ仕事以外のこともしたくなってしまうものですが、まず仕事を終わらせる!と決めて進め、時間が余ったら、その他のことに自由に使うようにしましょう。

3. いざというときに備えて、自分の担当している案件の情報をメンバーと共有しておく。

クライアントの担当者やプロジェクトメンバー等の連絡先、プロジェクトのスケジュール、各種書類などを前もって共有しておくと、いざという時にあわてずにすみます。

4. 締切や期日の一日前には完成しているように、予定を組む。

1と矛盾することかもしれませんが、余裕を持って進められるときに進めておくと、緊急時にもあわてずにすみます。不思議なこと、そして嫌なことに、病状の悪化など、締切間際に起こりがちなのです。日頃から時間管理にそのような癖をつけておくことをおすすめします。

 

◆ライフ編

5. 介護が必要な家族の病歴をメモしておく。

納得できる病院やデイケアセンター、医療専門家に出会えるまで、毎回同じことを説明しなければなりません。正しく簡潔に伝えるために、準備しておくと役に立ちます。

6. 一人で抱え込まない。家族や親せき、プロの方に相談し、さまざまな視点を持つ。

例えば、本人が落ち込んでいる、リハビリなどに意欲的でない、介護する自分がつらくなった時などは、できるだけ第三者に話を聞いてもらい、一緒に対策を考えてもらうようにしたいものです。つらい時はどうしても感情が前面に出てきてしまいますが、それをいったんわきに置いて、理性的に「いま」の最善策を探そうと気持ちを切り替えると、ずいぶん楽になります。

7. 市役所/区役所の担当課に相談し、受けられるサービスを確認し、利用する。

私の地元の金沢市では、歩行補助機や杖、簡易トイレなどの費用の一部負担や、通院などの際のタクシー料金補助など、市役所に行かなかったら知らなかったサービスがたくさんあり、ずいぶん助かりました。きちんと手続きをすれば利用できますので、まず調べてみてください。

 

◆メンタル編

8.

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働き方インタビュー:子育ても仕事も大切に第2回

「子育ても仕事も大切に」インタビューの第2回は日英翻訳者であり、企業のCSR/環境報告書の翻訳コーディネイターでもあるBさんにインタビューしました。
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プロフィール:石川県在住。小学校3年生(8歳)と幼稚園に通う5歳のお二人のお子さんがあり、2008年よりエコネットワークスに登録。

<ある1日のタイムスケジュール>
8:00 息子を小学校へ送り出し
8:30 娘を保育所バスに乗せる
朝食の後片付け・洗濯・掃除
9:00 仕事開始
10:15 洗濯干しと休憩
10:30 仕事
11:30 家庭菜園で収穫、昼食(夕食)の準備
12:00 夫(自営業)と昼食
12:30 仕事
15:00 息子の帰宅
一緒におやつ
15:30 仕事
16:30 保育所お迎え
17:00 息子の習い事(サッカー)
18:00 帰宅・夕食
19:00 仕事(主にメールチェック)

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働き方インタビュー:子育ても仕事も大切に第1回

子育て真っ最中の翻訳者さんたちは、どんな風に時間をやりくりしているんだろう、そんな素朴な疑問をお持ちの方もあると思います。

エコネットワークスの登録翻訳者の方にもクオリティの高い翻訳を仕上げつつ、子育ても大事にしている方がありますので、ご紹介したいと考えました。不定期になりますが、こちらのページにアップしていきますね。 第1回は日英翻訳者のAさんにインタビューしました。

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プロフィール:カナダ在住。幼稚園に通う5歳のお子さんがあり、現在妊娠9カ月。2007年よりエコネットワークスに登録。

<ある1日のタイムスケジュール:幼稚園がお休みの日>
7:30 起床~メールチェック&返信など
8:00~ 翻訳
9:00 朝食
その後は娘のバイオリン&ピアノの練習に付き合ったり、家事、夕飯の買出し、娘の遊び相手など。
18:00 夕飯
18:30~ 娘のお風呂、歯磨き、絵本を読む等、寝かしつけ準備
20:00~ 翻訳
22:00~ シャワー
22:30~ ピアノ練習
23:30 就寝
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二口(以下F):今日はお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、現在の子育ての状況を教えていただけますか?

Aさん(以下A):私が住んでいる地域では、就学前の子育ては母親に任せるという文化としくみになっています。娘は幼稚園(2年間)~中学卒業までストレートのスクールです。今は週に2、3日幼稚園に通っていますが、月によって、偶数日、奇数日だったり、また不定期にお休みもあるので、このスクールに子どもが通っているお母さんは、フルタイムでは働きに出ていない方が多いですね。

F:そうすると、翻訳に充てられる時間は限られてきますね。

A:はい、お引き受けできるボリュームは、一週間に3,500字が最大かなと。納期にゆとりのあるお仕事が多いので、助かっています。

F:そうですね、コーディネイトするときに、その点は気をつけてお願いしているかもしれませんね。でも、弊社にとってもうれしいことがあるんですよ。例えば週末に飛び込みで入ってきたお仕事でも、北米とは半日の時差(13時間。ウィンタータイムの11月~3月は14時間)があるので、コーディネイターとしては一日稼げるんです。それに、日本の祝日はそちらでは平日ということも多く、またまた日数が稼げる。助かっています。

A:反対に、感謝祭やクリスマスなどの予定を予め確認くださるので助かっています。

F:一日のスケジュールを拝見すると、お子さんの時間管理、というか生活のリズムをきちんと刻むことを大切にされていますね。健康管理でも、大事なことだなと共感しました。

A:そうかも知れません。あとは、前にいただいたアドバイス「家事は、子どもがいる時にやる」も実践しているんですよ。洗濯物をたたむこと1つにしても、娘が家にいる時に、話しながらやったり、買い出しもスクールがない時に、娘と一緒に行くようにしています。彼女がスクールの間は、家事はなるべくしないで、仕事に集中できるようにしています。仕事の時間を確保することによって、夜、趣味のピアノを弾く時間もでき、良い気分転換になっています。

F:そうですか、お役に立てたようでうれしいです。2番目のお子さんのご出産は3月の予定でしたね。娘さんは9月から小学校へ。二人になると、また別の大変さがありますが、可能な範囲で、お仕事をお願いできればと思っています。

A:はい、2月からはお休みをいただきたいと考えていますが、リズムができたら、またぜひお受けしたいと考えています。

F:定期的に連絡を取りながら、お仕事と子育ての一番いいバランスを一緒に見つけていきましょう。今日はありがとうございました。

 
Jinchouge (Winter Daphne)
Photo by halfrain

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ライフステージに合わせた働き方―家族の介護が必要になったら第2回

Spring flower P3280079

Photo by soekphoto

協力者・理解者を得る―ひとりで抱え込まない

第2回、ずいぶんとアップまで時間がかかり、お待ちくださっていた方、申し訳ありません。

さて、前回「次回は家族の協力と、母の仕事への理解について、書きます。」としめくくりました。とかく介護は女性の負担が大きくなりがちです。家事と子どもの世話と、そして仕事と介護。爆発しないほうが不思議じゃないかなと思います。

私が一番つらかったのは、母の病気が始まってから4年めの秋~冬でした。在宅での仕事はエコネットワークスでの翻訳や翻訳コーディネイターとして、大変ながらもやりがいが出てきた頃、母はベッドから起き上がることもできなくなり、すべての動作に介助が必要でした。仕事は母がデイケアセンターに行っている間、家にいるときは午前午後に数時間、後は母が寝てから、集中して進めました。

母は口数の少ない人でしたが、「芳彗子さんは2階で何をしているんだろう?」と思っていたようで、トイレ介助などが終わって「じゃあ、仕事に戻るわ」と言うと、寂しそうな顔をすることが多かったのです。勤めに出たことのない母には会社組織で働くことがまったくわからない世界、まして在宅で翻訳するのは、想像がつかない様子でした。

そこでお昼の時などに、簡単に仕事の説明をしたり、実際に印刷が上がってきた文書なども見せるようにしました。すると、用事はまとめてくれるようになり、「じゃあ、仕事に戻っていい?」と聞いたときも、「ありがとう。ご苦労さん」と返事が返ってくるように。クライアントからうれしいフィードバックをいただいたときなど、「よかったね、がんばったからやね」と喜んでくれるようになりました。

そんなときに今度は夫が単身赴任となりました。夫は仕事の現場が大変だから単身赴任したわけで、たまに帰ってきてもひたすら寝ていたりと、ゆっくり話しをしたり愚痴の一つも聞いてもらえません。ちょうど長男と長女がそれぞれ高校と中学受験を控えている時期で、流行のインフルエンザ等に子どもたちが罹患しないように、と気持の休まる時がなかったように思います。

そんな頃、診察に付き添って行った病院で、診察後母がリハビリをしているときに、担当のケアマネージャーさんが「少しお話ししましょうか」と二人きりで時間を取ってくれました。母の最近の家での様子や家庭の事情や仕事のことなどを話しているうちに、私もかなり思いつめていたのでしょう、思わず泣き出してしまいました。その様子を見て、ケアマネージャーさんは「二口さん、お子さんの受験が終わるまで、お母さんに病院に入ってもらいましょう。」と、静かに言いました。

私はそんなことがお願いできるのか、と思いましたが、てきぱきとベッドの空きの確認、母への説明などをしてくれて、子どもたちの試験が終わるまで3週間ほど療養棟に入院できる準備が整いました。母もケアマネージャーさんから言われたことで、納得してくれましたし、夫もその状況を知って、以前より私の話をきちんと聞いてくれ、母が戻って来てからは、介助も手伝ってくれるようになりました。

子育ては、子どもが昨日できなかったことが今日できるようになる感動があり、どんなに大変でも、時にとても励まされる思いがします。それに対して、介護はだんだんとできなくなることが増えていくせいか、振り返ったり、客観的に状況を判断する余裕がなくなって行くように思います。

困ったことがある場合、家族で話し合って決めて行くのが良いと思いますが、私の場合はプロのケアマネージャーさんに全体のバランスを見て判断とアドバイスをしてもらえたことで、長い介護生活で小休止の時間をもらい、夫の母や私への対し方も変わりました。

自分ががんばれば、と一人で抱え込まずに、普段から家族や周りの人、専門家に相談して、本人も含めてみんなで考えられるのが良い、と感じた経験でした。


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ライフステージに合わせた働き方―家族の介護が必要になったら 第1回

autumn leaves between sun halos and flashlight
By oedipusphinx — — — — theJWDban

考え方―大事にすること、あきらめること

前回のプロローグに続いて、今回から具体的にお話ししていきます。

ちょっと長くなりますが、当時の状況から。母は嫁いでから家族で、父が倒れてからは一人で、家業の八百屋を切り盛りしていました。自分で自動車を運転して市場に仕入れに出かけ、病院や施設の給食の配達もこなし、元気に働いていました。

私は当時、週に3回大学予備校での英語講師として、20~30人の英語科を担当し、その他富山の工作機械のメーカーからマニュアル翻訳の仕事をいただいて、在宅で翻訳をしていました。

そんな時、母が何でもない平地でバランスを崩し倒れることが続き、どうもおかしいと精密検査を受けた結果「多系統委縮症」と診断されました。

パーキンソン病と似ているのですが、母の病気は小脳がだんだんと委縮していき、運動神経への指令がうまくいかなくなり、だんだんと身体が動かなくなって最後には呼吸困難で亡くなる病気で、現代の医学では治療薬や治療法がない、お母さんの場合は長くて2年でしょう、と医師に告げられました。

それから一年をかけて、母の仕事を整理し、住んでいた家では段差が多くて、いずれ動けなくなったときに困ると、住まいも変えました。母には自動車の運転が危ないこと、少しずつ身体が動かなくなってしまうことだけを伝えて、仕事を「卒業」してもらいました。そして、身体機能を維持できるように、夕食当番になってもらう、曜日を決めて掃除機かけをするなど、家でできることを見つけてこなしてもらっていました。

100%在宅の仕事に切り替える

しかし、診断を受けて1年半、一人で家に居てもらえなくなる状態まで病気が進行しました。予備校での仕事は、志望校への合格を目指してがんばっている生徒たちが力をつけ、夢をかなえるのをサポートできるのは楽しいことでしたし、授業は人間相手、翻訳はパソコンの画面上の文字に向かってと、性質が正反対の仕事で、私にとってはちょうどバランスがとれている状態で、満足していました。そしてなにより、私の収入の約半分が予備校講師としての収入でした。

悩んだ末、私は年度末に予備校での講師の職を辞めて、在宅の仕事だけに絞ることに決めました。生徒の受験の一番大切な時期に母の病状が悪化した場合、仕事に集中できる自信がなかったというのが一番の理由です。経済的なことは、何とかしようと考えました。在宅での翻訳に100%注力しようと思えたのは、エコネットワークスに出会っていたことも大きな要因です。

選択肢として、デイケアを全面的に利用して、ワークスタイルを変えない方法もあったと思いますが、家にいることが何より好きだった母の思いを大切にしたかったので、家計から介護に当てられる部分とのバランスも考えて、週2回デイケアを利用して仕事に集中する日とし、その他の日は、介護をしながら仕事をするというスタイルを始めました。

経済的な状況維持と英語講師としての仕事はあきらめましたが、家族へのエネルギーと時間、「翻訳」と言う仕事を選びました。何を守り、何を捨てるか。答えは結局のところ、自分の中にある、というのが実感です。

もし、今迷っているなら、「今、自分が一番大事にしたいこと」はなにかを確認することから始めてみてください。私の場合は、「限られた時間の中で、できるだけ母が家にいる時間を確保すること」でした。例えば「今どうしても手放せないプロジェクトがある」場合は、家族にとって一番快適なデイケアサービスを探し、理解を得るよう伝えるなどです。

友人の話を聞くと、どんな介護の方法があるのかを検討して、それから自分の仕事をそれに合わせることが多いように思いますが、介護は長期戦なので、自分の心が折れないようにするためにも、私はまず大事なことを見極めてから、できる方法を探すとよいと思います。

次回は、家族の協力と、母の仕事への理解について、お話しします。

 

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ライフステージに合わせた働き方―家族の介護が必要になったら

This image is honored as Wikipdia Picture of the Day 28 July 2009 (Best of 3) Sea Otter (Enhydra lutris) mother with nursing pup in the Morro Bay harbor
Photo by mikebaird

プロローグ
人生にはいろいろなターニングポイントがありますが、家族に関連して仕事に少なからず影響するできごとに、結婚や出産、子育て、介護などがあります。私も、あちこち肩をぶつけながら、それらを経験して今に至っています。

それぞれのライフステージで、働きながらの楽しみ方やトラブルの乗り越え方を見つけてがんばっている方がたくさんおられますが、最近、介護と仕事の両立に悩み、試行錯誤している方が私の周りでも多くなりました。

実は私自身、病気になった義母の介護をするために在宅でできる仕事に100%切り替え、働きながらの介護を3年半経験しました。

これから何回かに渡り、私が自分の経験から学んだことをお伝えしたいと思います。大好きな仕事を続けながら、でも、家族のことも大切にしたいと悩んでいる方へのエールになれば、という願いを込めて。

 

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「参加したい組織、したくない組織~フリーの立場から~」

エコネットワークスは、従来の「会社と従業員」というカタチではなく、志を同じくする各分野のスペシャリストである「個」が集まり、自律的に協調しあうことで、自らが成長し、クライアントに新たな付加価値を提供することを目指しています。
そのためにも、フリーで働いている皆さんが「ぜひエコネットワークスのプロジェクトに参画したい」と思っていただける方法を、常に模索しています。

2011年7月19日、日頃さまざまなプロジェクトに参画いただいているパートナーの小島和子さん、木村ゆかりさん、スペシャリストの硲允さんに参加いただき「参加したい組織、したくない組織~フリーの立場から~」と題して、1時間余りのディスカッションの場を持ちました。

既にフリーで働いている方にも、それを目指している方にも参考になるお話を聞くことができました。当日の内容をPDFとしてまとめましたので、ぜひご覧ください。
「参加したい組織、したくない組織~フリーの立場から~」

以下ダイジェスト:
フリーでVS 組織で働くこと
木村)フリーだと時間の自由度が大きいですよね。子どもが風邪をひいたりしても融通がきくし、プライベートの活動との両立などもやりやすいと思います。
一方で組織に所属することの良い点は、世界が広がること、1人でできない大きなことに取り組めることだと感じています。

フリーで働くことの課題
小島)
最近は、ミーティングもスカイプで済ませたりして、実際に顔を合わなくても済むようになりましたね。でも、その分、意識して情報共有をしていないと、ちょっとしたところで行き違いが生まれてしまうと感じます。たとえば「なるべく早くお願い」と言われても、メールだけの連絡だと、ほんとのところ、どれぐらい急いでいるのかが見えにくい、といったこともあります。

参加したい組織の「鍵」は?
硲)
チームとして仕事の価値を高めるには、こうしたほうがいいということを率直に言い合えることが大事だと思っています。そういうことを遠慮せずに言えるかどうか、言う時の意図を相手に理解してもらえるか、意見が食い違っても気持ちよく議論できるか、ということについては、普段から色々な面で価値観や考えを共有し、お互いのいいところも悪いところも知ったうえで尊敬し合えることが重要だという気がしています。

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