ライフステージに合わせた働き方―家族の介護が必要になったら第3回

The first flower in January

Photo by Milica Sekulic

介護のあるワークライフバランス

介護についてブログを書こうと思う、と社内のメンバーに話したときに、「コツみたいなものを10個ぐらいにまとめてはどうか」とアドバイスをもらいました。3年半の介護生活の中でこうしてよかったとおもうことを、ワーク編、ライフ編、メンタル編にまとめてみました。

◆ワーク編

1. 仕事はつめこみすぎない。

病気の症状が安定しないときは特に、使える時間に対して70~80%の予定にしておきます。そして仕事の完成度100%を目指します。

2. 仕事に集中できるときは、他のことはしない。

時間があると思うと、あれこれ仕事以外のこともしたくなってしまうものですが、まず仕事を終わらせる!と決めて進め、時間が余ったら、その他のことに自由に使うようにしましょう。

3. いざというときに備えて、自分の担当している案件の情報をメンバーと共有しておく。

クライアントの担当者やプロジェクトメンバー等の連絡先、プロジェクトのスケジュール、各種書類などを前もって共有しておくと、いざという時にあわてずにすみます。

4. 締切や期日の一日前には完成しているように、予定を組む。

1と矛盾することかもしれませんが、余裕を持って進められるときに進めておくと、緊急時にもあわてずにすみます。不思議なこと、そして嫌なことに、病状の悪化など、締切間際に起こりがちなのです。日頃から時間管理にそのような癖をつけておくことをおすすめします。

 

◆ライフ編

5. 介護が必要な家族の病歴をメモしておく。

納得できる病院やデイケアセンター、医療専門家に出会えるまで、毎回同じことを説明しなければなりません。正しく簡潔に伝えるために、準備しておくと役に立ちます。

6. 一人で抱え込まない。家族や親せき、プロの方に相談し、さまざまな視点を持つ。

例えば、本人が落ち込んでいる、リハビリなどに意欲的でない、介護する自分がつらくなった時などは、できるだけ第三者に話を聞いてもらい、一緒に対策を考えてもらうようにしたいものです。つらい時はどうしても感情が前面に出てきてしまいますが、それをいったんわきに置いて、理性的に「いま」の最善策を探そうと気持ちを切り替えると、ずいぶん楽になります。

7. 市役所/区役所の担当課に相談し、受けられるサービスを確認し、利用する。

私の地元の金沢市では、歩行補助機や杖、簡易トイレなどの費用の一部負担や、通院などの際のタクシー料金補助など、市役所に行かなかったら知らなかったサービスがたくさんあり、ずいぶん助かりました。きちんと手続きをすれば利用できますので、まず調べてみてください。

 

◆メンタル編

8. 自分のためだけの時間/体験を持つ。

介護や家事などに追われていると、気がつかないうちに疲労がたまっています。友だちに会っておいしいものを食べる、美容院に行く、映画を見る、本を読む。いつもと違う人に会う、自分を変える、きれいにする、日常とかけ離れた情報に触れることをおすすめします。(世間体は気にしないことです。)それもできないときは、例えば自分のためだけに丁寧にお茶を入れるだけでも、心がすっとすることがありました。リフレッシュして、さあ、またがんばるぞ!と気持ちも切り替わるので、おすすめします。

9. 季節ごとの行事を大切に。

七草がゆ、春のお花見、お節句、お彼岸など、季節ごとの行事を生活にとりいれると、お世話する側もされる側も、今年もここまで元気でいられた、いてもらえた、とほっとするものです。特に、「ならでは」の食べ物は大事だったな、と思います。和菓子の大好きな母でしたので、その時々のうれしい顔を、いまでも懐かしく思い出します。

10. 一日一日を感謝して。

大事な方を介護されている真最中の方には過酷な言い方かもしれませんが、老いは誰にも避けられるものではなく、やがてお別れの時がきます。お世話しているときは、そんな風に考えられないし、考えないようにしようとするものですが、終わりがあることを悟ると、今日一日あれができた、こんな風に喜んでくれた、とうれしいことやよかったことを見つけて感謝できるようになります。思うようにいかない日もありますが、できたことを見つけて、感謝して過ごすようにすることで、穏やかな気持ちでいられます。

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このシリーズを書き始めたときは、ここでいったん終わりにしようと思っていたのですが、また時間をおいて思い出したり、考えたりしたことなどもお伝えできたらと思うので、「最終回」ではなく、第3回としました。ひょっとすると、バガボンドほどブランクが空くかもしれませんが、気長にお付き合いください♪


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働き方インタビュー:子育ても仕事も大切に第2回

「子育ても仕事も大切に」インタビューの第2回は日英翻訳者であり、企業のCSR/環境報告書の翻訳コーディネイターでもあるBさんにインタビューしました。
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プロフィール:石川県在住。小学校3年生(8歳)と幼稚園に通う5歳のお二人のお子さんがあり、2008年よりエコネットワークスに登録。

<ある1日のタイムスケジュール>
8:00 息子を小学校へ送り出し
8:30 娘を保育所バスに乗せる
朝食の後片付け・洗濯・掃除
9:00 仕事開始
10:15 洗濯干しと休憩
10:30 仕事
11:30 家庭菜園で収穫、昼食(夕食)の準備
12:00 夫(自営業)と昼食
12:30 仕事
15:00 息子の帰宅
一緒におやつ
15:30 仕事
16:30 保育所お迎え
17:00 息子の習い事(サッカー)
18:00 帰宅・夕食
19:00 仕事(主にメールチェック)
※子どもたちはテレビタイム
20:00 お風呂
21:00 絵本読み聞かせ、子どもたちを寝つかせる
22:00 仕事
0:00 就寝
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二口(以下F):いつもエコネットワークスの翻訳事業をサポートくださり、ありがとうございます。早速ですが、現在の子育てやお仕事の状況を教えていただけますか?

Bさん(以下B):娘を保育園に送り出す9時から、お迎えまでの4時半が仕事の時間ですね。その日のタスクのボリュームを決めて、とりかかります。初めての作業は時間の読みが甘くて、終わらないこともあって夜の時間でキャッチアップしたりもします。子育てをひと通り終えたマネージャーがいるので、いろいろ相談もしやすいですし、困った時もサポート体制があるので助かります。

F:私もワーキングママをサポートするにはどうするのがいいかを模索していますので、そう言っていただけるとうれしいです(笑)。タイムテーブルを拝見すると、仕事の合間に家事や農作業、ご家族との時間も上手に取り入れて、メリハリがある時間の使い方だなと感じました。

B:エコネットワークスは持続可能性や環境を大切にすることに価値を置いている会社なので、例えば仕事の合間に大根を抜きに行ったり、草取りをしたり、ということにも理解がありますね。

F:翻訳や翻訳チェックは集中して脳を使う作業なので、そこからいったん離れて身体を動かして土に触れるのは、仕事にもいい影響があると思いますよ。 おうちでお仕事をするお子さんの反応はいかがですか? 最近、夜に作業していただくこともあって心配しているのですが。

B:実は先日、子どもたちが私に賞状をくれたんです。下の娘はシンプルに「おしごと、がんばれー」と書いてシールがいっぱい貼ってあって(笑)、長男は「あなたは家事だけでも大変なのに、仕事をがんばっているので、表彰します。」って書いてあって。

F:うわー、うれしいですねー。ちゃんと背中を見ているんですね。

B:はい、とってもうれしかったです。子どもが親の働いている姿を見ているのは、いいと思います。

F:在宅でのワークスタイルを模索している方にアドバイスをいただけますか。

B:そうですね、時間の自由度は在宅の魅力なので、やりたい仕事と家事や子育てとのバランスをうまくとっていけるといいですね 。自分は両親が共働きの家に育ち、カギっ子で授業参観に来てもらえなくても当然と思っていました。ただ、自分が親になったいま、時間をやりくりして授業参観にも行けます。学校から帰宅したら「おかえり」と言ってあげられます。小さなことですが、子どもに喜んでもらえると、とてもうれしいです。

F:今日お話しいただいたことは、女性だけでなく男性にとっても参考になり、元気をもらえるお話だったと思います。お時間をいただき、ありがとうございました。
Buds of Almond

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働き方インタビュー:子育ても仕事も大切に第1回

子育て真っ最中の翻訳者さんたちは、どんな風に時間をやりくりしているんだろう、そんな素朴な疑問をお持ちの方もあると思います。

エコネットワークスの登録翻訳者の方にもクオリティの高い翻訳を仕上げつつ、子育ても大事にしている方がありますので、ご紹介したいと考えました。不定期になりますが、こちらのページにアップしていきますね。 第1回は日英翻訳者のAさんにインタビューしました。

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プロフィール:カナダ在住。幼稚園に通う5歳のお子さんがあり、現在妊娠9カ月。2007年よりエコネットワークスに登録。

<ある1日のタイムスケジュール:幼稚園がお休みの日>
7:30 起床~メールチェック&返信など
8:00~ 翻訳
9:00 朝食
その後は娘のバイオリン&ピアノの練習に付き合ったり、家事、夕飯の買出し、娘の遊び相手など。
18:00 夕飯
18:30~ 娘のお風呂、歯磨き、絵本を読む等、寝かしつけ準備
20:00~ 翻訳
22:00~ シャワー
22:30~ ピアノ練習
23:30 就寝
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二口(以下F):今日はお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、現在の子育ての状況を教えていただけますか?

Aさん(以下A):私が住んでいる地域では、就学前の子育ては母親に任せるという文化としくみになっています。娘は幼稚園(2年間)~中学卒業までストレートのスクールです。今は週に2、3日幼稚園に通っていますが、月によって、偶数日、奇数日だったり、また不定期にお休みもあるので、このスクールに子どもが通っているお母さんは、フルタイムでは働きに出ていない方が多いですね。

F:そうすると、翻訳に充てられる時間は限られてきますね。

A:はい、お引き受けできるボリュームは、一週間に3,500字が最大かなと。納期にゆとりのあるお仕事が多いので、助かっています。

F:そうですね、コーディネイトするときに、その点は気をつけてお願いしているかもしれませんね。でも、弊社にとってもうれしいことがあるんですよ。例えば週末に飛び込みで入ってきたお仕事でも、北米とは半日の時差(13時間。ウィンタータイムの11月~3月は14時間)があるので、コーディネイターとしては一日稼げるんです。それに、日本の祝日はそちらでは平日ということも多く、またまた日数が稼げる。助かっています。

A:反対に、感謝祭やクリスマスなどの予定を予め確認くださるので助かっています。

F:一日のスケジュールを拝見すると、お子さんの時間管理、というか生活のリズムをきちんと刻むことを大切にされていますね。健康管理でも、大事なことだなと共感しました。

A:そうかも知れません。あとは、前にいただいたアドバイス「家事は、子どもがいる時にやる」も実践しているんですよ。洗濯物をたたむこと1つにしても、娘が家にいる時に、話しながらやったり、買い出しもスクールがない時に、娘と一緒に行くようにしています。彼女がスクールの間は、家事はなるべくしないで、仕事に集中できるようにしています。仕事の時間を確保することによって、夜、趣味のピアノを弾く時間もでき、良い気分転換になっています。

F:そうですか、お役に立てたようでうれしいです。2番目のお子さんのご出産は3月の予定でしたね。娘さんは9月から小学校へ。二人になると、また別の大変さがありますが、可能な範囲で、お仕事をお願いできればと思っています。

A:はい、2月からはお休みをいただきたいと考えていますが、リズムができたら、またぜひお受けしたいと考えています。

F:定期的に連絡を取りながら、お仕事と子育ての一番いいバランスを一緒に見つけていきましょう。今日はありがとうございました。

 
Jinchouge (Winter Daphne)
Photo by halfrain

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ライフステージに合わせた働き方―家族の介護が必要になったら第2回

Spring flower P3280079

Photo by soekphoto

協力者・理解者を得る―ひとりで抱え込まない

第2回、ずいぶんとアップまで時間がかかり、お待ちくださっていた方、申し訳ありません。

さて、前回「次回は家族の協力と、母の仕事への理解について、書きます。」としめくくりました。とかく介護は女性の負担が大きくなりがちです。家事と子どもの世話と、そして仕事と介護。爆発しないほうが不思議じゃないかなと思います。

私が一番つらかったのは、母の病気が始まってから4年めの秋~冬でした。在宅での仕事はエコネットワークスでの翻訳や翻訳コーディネイターとして、大変ながらもやりがいが出てきた頃、母はベッドから起き上がることもできなくなり、すべての動作に介助が必要でした。仕事は母がデイケアセンターに行っている間、家にいるときは午前午後に数時間、後は母が寝てから、集中して進めました。

母は口数の少ない人でしたが、「芳彗子さんは2階で何をしているんだろう?」と思っていたようで、トイレ介助などが終わって「じゃあ、仕事に戻るわ」と言うと、寂しそうな顔をすることが多かったのです。勤めに出たことのない母には会社組織で働くことがまったくわからない世界、まして在宅で翻訳するのは、想像がつかない様子でした。

そこでお昼の時などに、簡単に仕事の説明をしたり、実際に印刷が上がってきた文書なども見せるようにしました。すると、用事はまとめてくれるようになり、「じゃあ、仕事に戻っていい?」と聞いたときも、「ありがとう。ご苦労さん」と返事が返ってくるように。クライアントからうれしいフィードバックをいただいたときなど、「よかったね、がんばったからやね」と喜んでくれるようになりました。

そんなときに今度は夫が単身赴任となりました。夫は仕事の現場が大変だから単身赴任したわけで、たまに帰ってきてもひたすら寝ていたりと、ゆっくり話しをしたり愚痴の一つも聞いてもらえません。ちょうど長男と長女がそれぞれ高校と中学受験を控えている時期で、流行のインフルエンザ等に子どもたちが罹患しないように、と気持の休まる時がなかったように思います。

そんな頃、診察に付き添って行った病院で、診察後母がリハビリをしているときに、担当のケアマネージャーさんが「少しお話ししましょうか」と二人きりで時間を取ってくれました。母の最近の家での様子や家庭の事情や仕事のことなどを話しているうちに、私もかなり思いつめていたのでしょう、思わず泣き出してしまいました。その様子を見て、ケアマネージャーさんは「二口さん、お子さんの受験が終わるまで、お母さんに病院に入ってもらいましょう。」と、静かに言いました。

私はそんなことがお願いできるのか、と思いましたが、てきぱきとベッドの空きの確認、母への説明などをしてくれて、子どもたちの試験が終わるまで3週間ほど療養棟に入院できる準備が整いました。母もケアマネージャーさんから言われたことで、納得してくれましたし、夫もその状況を知って、以前より私の話をきちんと聞いてくれ、母が戻って来てからは、介助も手伝ってくれるようになりました。

子育ては、子どもが昨日できなかったことが今日できるようになる感動があり、どんなに大変でも、時にとても励まされる思いがします。それに対して、介護はだんだんとできなくなることが増えていくせいか、振り返ったり、客観的に状況を判断する余裕がなくなって行くように思います。

困ったことがある場合、家族で話し合って決めて行くのが良いと思いますが、私の場合はプロのケアマネージャーさんに全体のバランスを見て判断とアドバイスをしてもらえたことで、長い介護生活で小休止の時間をもらい、夫の母や私への対し方も変わりました。

自分ががんばれば、と一人で抱え込まずに、普段から家族や周りの人、専門家に相談して、本人も含めてみんなで考えられるのが良い、と感じた経験でした。


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仕組み化ミーティング

12月、二回目の「仕組み化」ミーティングを実施しました。

私たちの仕事のこだわりの一つに
「プロジェクトを仕組み化して初めて清算する」
(英語では、project is competed when system is created.)
というものがあります。

私たちは「仕組み化」を次のように定義しました。

この考え方にそって、プロジェクトを分解して再構築します。

今回は「ステークホルダー・ダイアログ」について、

PPTで5枚ほどにびっちりまとめました。

スカイプを使って、7人ほどのメンバーで共有、議論します。

これを積み重ねていくとどうなるのか楽しみです。

今日の一句

精算で

熱が入るよ

仕組み化に

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「代わりのものがいきます」と言えること

フリーランス

「代わりのものがいきます」

といえないつらさ

(字余り)

先日フリーランス・ライターの仲間と、
フリーランスは基本的に一人で仕事を受けているので、
会社のように「代わりのものがいきます」となかなか
いえないつらさがある、という話になりました。

例えば共働きでまだ幼い子どもが体調を崩して
家にいないといけないとき。

なんとかして仕事にいくべきだ。
そうしないと次の依頼があるかわからない。

しかし、

特に本当に調子が悪いときは自分が近くにいて
あげたい。

多くの人が経験する状況かもしれません。

そうしたとき、会社ではいざとなれば
同僚に助けてもらいやりくりすることもありますが、
「個」だけではやりくりがしにくいのが現実です。

そこにもし、
普段から仕事の姿勢やスキル、ノウハウを共有している
信頼できる仲間のネットワークがあったら。

いざというときに、お互いをフォローして、
チームとして対応できるかもしれません。

それは、依頼をする側にとっても、安心につながるでしょう。

そのような、「個」をベースとしながら、お互いを助け高め合う
「チーム」をイメージして、私たちはネットワークづくりを進めていきたいと思います。

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ENW 翻訳コーディネーター/プロジェクト・パートナー 木村ゆかり インタビュー (その4)

硲:働き方に関して、一番よく考えることはどういうことですか? 働き方に関する課題は何ですか?

木村:主に在宅で仕事をしていますが、在宅の仕事は自分で自分を管理していくしかないので、時間の使い方をどう管理していくか、ということです。

それから、自分のスキルアップです。自分に力があればあるほど、いい仕事ができればできるほど次の仕事につながっていくと思いますが、上手くできないとそこで途切れてしまうこともあり、自分のスキルアップは欠かせないと思っています。例えば、ボランティアでジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)のニュースレターを翻訳し、ネイティブの方にチェックしていただくことが勉強になっています。それから、翻訳の勉強会にも参加しています。勉強会で同じ方と何度かご一緒することで、一緒に仕事がしやすくなり、新しい仕事につながっていくこともあります。

 

硲:今後、個人として、プロフェッショナルとして、社会の一員として、どのような未来を描かれていますか?

木村:究極的に、子どもが子どもらしく遊んだり学んだりできる環境を作る、そして、それを子どもがまた次の世代に受け継いでいけるようにすることが、大人としての自分の役割だと思っています。

今、地球温暖化や原発震災など、大きな問題が山積みになっている状況だと思います。それをどうやって解決していくのか、その方法がなかなか見えないのですが、諦めずに、やれることが一つでも二つでもあれば、それをやっていきたいと思っています。

例えば、食事については、玄米菜食が放射能の対策としてよく言われているようですが、それが地球に与える負荷を下げることにもつながっていると思います。それを強制的に下げさせられたのが、今回の原発震災かと感じています。肉食にしても、これがどんどん増えると環境資源をたくさん使い、地球への負荷が大きくなっていきます。人間、肉ばかり食べなくても実は大丈夫だと思います。地球に負荷をかけない暮らし方をせざるを得ない状況になっていると思います。いくら問題が大きく見えても、そういうことを自分で一つずつ考えながら、これができる、これはこうしたらいいと、諦めずに、自分ができることを一つひとつやっていきたいと思っています。

仕事については、エコネットワークスの考え方に共感しており、ここで働いていきたいと思っています。それと共に、環境に関する情報発信をしているJFSのようなところで自分の力を出せることもうれしいことであり、これもどんどん続けていきたいと思います。

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ENW 翻訳コーディネーター/プロジェクト・パートナー 木村ゆかり インタビュー (その3)

硲:働き始めてから今までに、働き方に関する考え方や想いにどのような変化がありましたか?

木村:大学を卒業し、海外で働いた後で日本に帰国しましたが、当日は中途採用というのが珍しく、求人が少なくて、おまけに私の場合は地方で仕事を探していたので余計にありませんでした。そういうことを事前に調べもしなかったので、そのときはちょっと後悔したのですが、自分なりの働き方を作っていくしかないと思いました。当時は一般的なコースから外れて働いている人があまりいなかったので、お手本になる人もいませんでした。地方都市で女性が中途で採用されるというと、派遣社員や契約社員しかなくて、英語を使える職も少なく、そういう日本社会に幻滅したところもあって、海外で働きたいと思いました。それで、日本語教師を目指して勉強したこともありました。

しかし、そうこうしているうちに、日本企業の社内通訳・翻訳の仕事に巡り会いました。それまでに翻訳の勉強をしたことがなかったのですが、その会社の方が皆さんとても親切で、技術の知識がない私に丁寧に教えてくださり、その分野では少しずつ力を付けて翻訳や通訳ができるようになりました。この会社で20代から30代前半にかけて働いたのですが、結婚して出産すると、できれば在宅で働きたいと思うようになりました。周りの女性が、子どもを1歳までは自分で育て、その後は保育所などにあずけて会社で働き続け、子どもが病気の時でも仕事を休めないとか、病気を早く治させるために仕方なしに薬を飲ませるとか、そういう姿を見て、何か別のいい方法がないだろうかと考えました。在宅なら昼間に子どもの面倒を見て、夜に子どもが寝ているうちに仕事ができるので、子どもに無理をさせずに働けるだろうと思い、在宅の仕事に関心を持つようになりました。

フリーランスになってからは、翻訳の力を磨きたいと思い、手当たり次第、仕事を受けていました。友達のミュージカルの台本だとか、何でもやっていました。ジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)のボランティア翻訳も、会社にいた頃から始め、当時も続けていました。とにかく実績を積みたいと思い、どんどん仕事を引き受けました。そのうちに、在宅でも仕事の誘いを受けられるようになっていきました。そして、エコネットワークスとの出会いがありました。

 

硲:木村さんにとってエコネットワークスとはどのような存在でしょうか?

木村:エコネットワークスというのは、今までに出会った会社の中でとても珍しい形態の会社です。皆さんそれぞれ個人として働いていて、なおかつ組織で動く時はぐっと集まって力を結集できます。軽やかで、強い束縛みたいなものがなく、でもやるときはぐっと集まってできるという、すごくバランスがとれた組織だと思っています。

エコネットワークスは、順応性があるというか、形が定まっておらず、どんどん変化していきます。今の時代において、変化していくことが大切なことは、毎日の生活でも感じています。これがよかった、あれがよかった、ということがどんどん崩されていて、これからもどんどん変わっていくと思います。そういう変化に対応していかなくてはいけない。エコネットワークスは、そういうことを会社として実行しています。型が決まっているのではなく、その状況に合わせて変化していく会社です。

エコネットワークスは、参加している個人がエコネットワークスの外でしている仕事も尊重してくれています。また、出入りのしやすい組織だと思います。何か事情があって出ていくことになっても、そのときどきでお互いにいい形でつながれる、そういう組織は珍しいと思います。

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ENW 翻訳コーディネーター/プロジェクト・パートナー 木村ゆかり インタビュー (その2)

硲:木村さんにとって、「サステナブルな働き方」とは、ひと言でいうとどのような働き方ですか? 反対に、「サステナブルではない働き方」とはどのような働き方でしょうか?

木村:「サステナブルでない働き方」とは、違和感を感じながら働くことだと思います。昔、あまりの忙しさに、完全に一人になって休みたいと思ったことがありました。そこで、日常とかけ離れた場所に行き、1泊2日のワークショップに参加しました。自己マネージメントを学び、自分について振り返るというワークショップでした。そしてゆっくりと自分のことを考えると、その当時の働き方を続けたくないと思っていることに気がつきました。それにいったん気がついてしまうと、もうその働き方を続けることはできませんでした。当時、仕事は安定していたのですが、そこから抜け出して、自分に正直になれる方法を探し始めました。

 

硲:自分の中の違和感に気付くには、どうすればいいでしょうか?

木村:サステナブルでない働き方を続けていると、自分のことをゆっくり振り返る時間がなかなか取れないと思いますが、そういう時間を作ることが大切だと思います。

自分の中の違和感は、どこかで感じていても、生活の安定などの理由で自分をごまかしてしまいがちです。そうした生活を続けていくのが必ずしも悪いことだとは思いませんが、私にとってそれはサステナブルな働き方ではないと思っています。

他人のことについては、こちらから見ると違和感を感じているのではないかと思っても、本人にとってはそれでいいのかもしれないとも思います。というのは、違和感があれば、それに気がつく時期がそれぞれあるのだと思います。その時に自分のことをゆっくり考え直すことができればいいし、そうでなくても、その場合は自分でまだいいと思っているのかもしれません。人に言われて、というより、自分の中から出てくるような気がします。

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ENW 翻訳コーディネーター/プロジェクト・パートナー 木村ゆかり インタビュー (その1)

硲:「サステナビリティ」や「言語」に携わる仕事をすることになったきっかけや原点は何ですか?

木村:サステナビリティの原点は、自然が好き、ということです。私は石川県金沢市という、緑が多い場所で生まれ育ち、小さい頃から何となく自然が好きでした。短大に通うために初めて金沢を出て、大阪で暮らしたのですが、いろいろなイベントがあって楽しくはあったものの、ここは自分の住む場所ではないと思いました。

言語については、中学生の頃から英語を学び始めました。言語の習得には終わりがなく、ずっと勉強し続けなければならないところがありますが、それが苦にはならず、英語の勉強はずっと好きでした。

それで、短大の米英語学科に進みました。卒業後、アメリカの大学に編入し、ジャーナリズムを勉強しました。当時、新聞記者になりたいと思っていて、ロサンゼルスの朝日新聞社でインターンシップに参加しました。ところが、実際に働いてみると、新聞記者というのはいかに早くスクープを取るかが重要らしいことが分かり、たった3カ月で、どうやら自分には合わないと思いました。せっかくジャーナリズムを勉強したのですが、卒業後は1年間、ハワイの旅行会社で働きました。帰国後は、英会話の先生や派遣の仕事をした後、医薬品製造分野の社内通訳・翻訳という仕事に巡り会い、そこから本格的に言語を使う仕事が始まりました。

 

硲:木村さんは現在、翻訳も通訳もされていますが、両方に同じくらい力を入れているのでしょうか?

木村:翻訳も通訳もどちらも好きです。通訳の場合は、その場の勝負というところがあり、ある意味、サービス業だと感じています。交渉や講演会をうまく進めるために自分に何が出来るかをその場で考える、それには翻訳とは違う感覚や能力を使います。通訳はそのときに自分が出せるものを最大限に出すしかありません。その一方、言葉の完成度は翻訳のほうが高く、翻訳のほうが自分がもっと満足できる訳が出せる、という違いもあります。両方をやっていくと、それぞれの仕事に相乗効果があるように思います。通訳をすることで、翻訳の訳出のスピードが上がったり、翻訳をすることで、通訳のときの言葉がきれいになったり、互いに生かされると思います。理想を言えば、両方を続けていきたいと思っています。

 

硲:木村さんが働くうえで一番大切にされていることは何ですか?

木村:枝廣淳子さんが、天職を考えるうえで、「好き」で「得意」で「大事」なことをするといいとおっしゃっていますが、私にとって大事なことは、環境問題です。環境分野の仕事はやっていて楽しいと思いますし、環境に関する翻訳や通訳は自分が一生懸命勉強していることであり、これが私にとって大事なことだと思っています。と言っても、他の分野が大事じゃないというわけではありません。自分が一番大事だと思っている分野でなくても、ご縁のある仕事を一つひとつ誠実にすることが大事だと思っています。

 

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