【Case Study】環境レポート 日英ほぼ同時発行に挑戦

2014 / 7 / 14 | 執筆者:EcoNetworks

環境レポーティング/情報開示 英語化のご支援
―日本語版からのタイムラグを大幅に圧縮してリリース

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「日本語版と英語版を、同時に発行したい」 。
はじまりは、お客さまのご要望でした。通常は、日本語版の完成後からスタートし、発行まで3ヶ月かける分量の英語版制作のプロセスを、いかに組み立てなおすか。徹底したシミュレーションと調整を重ね、最終的に日本語版発行から20日後に約130ページ(10万字)の英語版が完成。更なる短縮に向けて、短期集中型のプロジェクトモデルはこれからも進化を続けていきます。

クライアント:モビリティメーカーさま
発行時期:2014年6月
支援チーム:二口芳彗子、前田真砂子、小林一紀
(メンバー)Steve Jensen、Randy Helten、Rowan White、木村ゆかり、佐藤百合枝ほか

Background 背景

理想を実現する

企業としてあるべき姿、作り出したい製品。常に高い理想を描いて、その実現に向かって邁進することを気風とする同社。

エコネットワークスでは、同社の環境レポーティング/情報開示の英語化をご支援してきました。初年度は6月の日本語版の完成後に翻訳をスタート、綿密な作業を経て、9月に英語版が完成というスケジュールでしたが、その翌年、「日本語版と英語版を同時発行したい」とのご要望がありました。そこには、世界で事業を展開する企業として、日本語読者・英語読者関わりなく、世界のステークホルダーに最新の報告をいち早くお伝えしたいと言うクライアントの信念がありました。

原稿全体が完成していない中でのスタート。本当にできるのだろうか…という不安を、どうすればできるかというプランに変えるところからスタートです。

Action アクション

シミュレーションを繰り返し、チームを作る

通常は入稿予定から組み立てるスケジュールを、発行予定日から逆算する徹底したシミュレーションが始まりました。実現するための「チーム作り」のプロセスです。

通常のプロジェクトでは、スタイルやトーンを整えるため、翻訳メンバーは出来る限り少数に抑えます。さらに、リード翻訳者が全体を通して仕上がりを最終チェックするプロセスを徹底し、これまで品質を管理してきました。しかし、今回のスケジュールでは、短い時間で多くのことを同時進行するために、多人数のメンバーの参加が必要です。

想定ボリュームから1日ごとに翻訳する文字数を換計算したうえで、各翻訳者の稼働日と翻訳スピードもヒアリングし、品質を落とさずにスピードを上げるための適正人数・構成を複数パターンで検討しました。

また、翻訳者だけでなく、原稿作成や用語集作成、校正者などの作業を行うバックアップ体制も万全にするために、専任メンバーを加え、最終的に12名のチームを編成。徹底した準備が、不可能を可能にする。そう信じて、プロジェクトが動き始めたら目の前の作業だけに集中できるよう、徹底的に具体的なタスクに落とし込んでいきました。

予定よりも早いスタートが実現

シミュレーションを繰り返し、次第にチーム体制や実現スケジュールの可能性が見えてくる中で、不可能を可能にする最後のピースとして、原稿の確定度と受け渡しに対する包括的なアプローチが必要だという点に辿りつきました。英語チームとして、日本語制作チームと同じレベルで原稿の確定度について理解し、的確なタイミングで原稿から迅速に英語化していけないか。そのような思いのもと、具体的なチーム体制を盛り込んだスケジュールとともに、その希望を率直にクライアントに相談したところ、ご快諾いただいただけでなく、さらにはページごとの詳細スケジュールを共有しましょうとのお申し出もいただきました。

そして、チーム全体でのスケジュール共有が進み、結果として予定よりも20日ほど前倒しでトップメッセージの英語化を開始。その後も担当部署の確認が終わった原稿から随時展開いただき、当初の翻訳開始予定日より前に、およそ3分の1の原稿の翻訳をスタートすることができました。

ページごとの詳細スケジュールを共有いただけたことで、どのような内容・確定度の、どれぐらいのボリュームの原稿がいつ頃届くかと言う見通しを立てることができ、進行が思いのほかスムーズにいくこととなりました。

日本語版と並行して英語版を制作する場合、日本語版で発生する修正をどのタイミングで英語版に反映するかも重要です。これについても事前に相談し、一旦提出した英訳原稿に、修正箇所を一括してご記入いただき、お戻しいただきました。これにより、作業に漏れやダブリが発生せず、回数を絞った効果的な修正反映作業となりました。

進行管理のポイントを整理すると、こんなイメージです。

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全体として、英語版制作チームでは、次のようなステップで進めていきました。

ステップ:
1. 入念な準備
会社としての方針や関連するキーワードを事前に精査し、各文書の整合性を確認。用語リストを作成する一方、過去のレポートを研究し、一貫性を担保する部分と、改善を試みる部分を特定しました。

2. 徹底した進捗管理
全体の進行管理を担当者が、その日の業務の開始前に、最新の進捗状況と当日の作業予定をメールでチームに連絡。それぞれの担当を確認しながら、チーム12人の連携を確実に進めました。

3.内容に即した英文としての仕上がり
読み手の視点に立ち、トップメッセージや部局長の座談会、トップと現場担当者の対談などに込められたメッセージや思いを印象深く伝えられているか、製品の開発や取り組みなどファクトベースの記事は正確かつ簡潔に表現できているかなどの観点から推敲を繰り返し、最終稿を仕上げました。

Achievement 効果

日本語版発行後10日、 20日の2段階で英語版発行

最後の最後まで日本語版の調整が続きました。対談の記事は特に、ご本人の修正依頼が入るものです。しかし、そこに込められているメッセージを軸に英文を作成していたので、微調整で済むと言う思いがけない発見もありました。

微調整の反映もあり、日英同時発行はかないませんでしたが、それでも日本語版発行後10日で全世界での環境取り組みの記事、 20日で国内の取り組み事例の英語版が完成。クライアントさまのサイトに公開されたのを確認したとき、私たちチームメンバーでガッツポーズ、うれしい瞬間でした。

このようにして、クライアントさま、そして日本語版制作チーム、そして英語版チームの全体が情報を共有し、思いを同じくするチームとして挑んだ挑戦が完了しました。翻訳現場の声に耳を傾け、スケジュールを調整し、リードいただいたクライアントさま、制作チームの皆様に感謝しています。

ENWの視点

ENWは英語版チームとして取り組みをサポートしました。

1. 実現するためのシミュレーション
各プロセスを具体的なタスクにまで落とし込んで分析し、実現可能性を追求します。

2. チームの進捗管理
メンバーは全員、遠隔。翻訳者は北米、大阪、名古屋など各地にいますが、時差も有効活用した組み立てとコーディネーターの徹底した進捗管理で、タイムラグをなくします。

3. 改善点を精査
完成したら終了ではなく、プロジェクト終了後は必ず振り返りの場をもちます。効率化や改善が図れる点を見極め、次に生かします。

担当者より

「これからも挑戦し続けるその背中を追いかけて、世界への発信をサポートしてまいります。」

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