コバルト採掘に関する人権調査報告書 日本語版(概要)

2018 / 6 / 29 | 執筆者:EcoNetworks

背景

クリーンエネルギーが真に「クリーン」であるために

近年、コバルトの市場価格が急騰しています。

コバルトは、スマートフォンやノートPCなどの小型電子機器から電気自動車に至るまで、その動力源としてのリチウムイオン充電式電池に不可欠ですが、「クリーンエネルギー革命」とも呼ばれる世界の再エネ化が急速に進展するに伴い、超大型充電式電池の利用にも関心が高まっているためです。

2016年1月にアムネスティ・インターナショナルがアフリウォッチと共同で発表した『命を削って掘る鉱石~コンゴ民主共和国における人権侵害とコバルトの国際取引』*で、コンゴ共和国南部での手掘りのコバルト採掘者における人権侵害が明らかになり、また、企業26社が、自社製品に使われるコバルトに関する人権デューディリジェンスの施策をどの程度実践していたかも評価しました。

今回、アムネスティ・インターナショナル日本さまの監訳のもと『責任と向き合う時~コバルト・サプライチェーンの人権侵害に対する企業の取り組み』**の概要部翻訳にご協力しました。

約2年間にコンゴ共和国のコバルト採掘現場での状況や企業の対応がどれほど改善されたかを調査し評価する報告書第2弾です。

アプローチ

シリーズ初版を徹底研究し、アイディアを練る

初版で使用された用語を忠実に採用していく一方、人権やサプライチェーンに関する一般的な表現などについても、さまざまな資料にあたり訳文を仕上げました。

アムネスティさまの監修によりdownstream companiesを下流企業から「川下企業」と改善いただくなど、翻訳チームメンバにとって人権問題に関する用語をアップデートする機会となりました。

成果

市民社会の「目」が、社会課題の改善を後押しする

コンゴ南部には約11~15万人の手堀りのコバルト採掘者が従事しており、劣悪な労働環境などの人権侵害が続いています。サプライチェーンの上流企業、サプライヤー、川下企業すべてが問題ある現状を直視し、一刻も早く改善に向けた行動を起こす必要があります。また、コンゴ政府も規制を強化するなど、自国の主要産業のクリーン化を進めるべきです。

第三者としての市民社会がしっかりと現状と進捗を調査し、評価することの意義と重要性は、企業にも認知され始めており、コバルト採掘企業だけでなく電子機器・自動車・電池メーカーは積極的に市民団体と対話して、自社の取り組みを改善することを期待します。

同時に私たちも、購入の際にこうしたことを念頭に置き製品を選択する消費者であることができます。まずは、コバルト採掘の現状と企業の対応状況を知るための入り口として、ぜひご一読ください。

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報告書原文:
*『This is What We Die For: Human Rights Abuses in the Democratic Republic of the Congo Power the Global Trade in Cobalt』(英語・中国語・フランス語) 2016年1月、アムネスティ・インターナショナル発行
**『Time to Recharge: Corporate Action and Inaction to Tackle Abuses in the Cobalt Supply Chain』(英語) 2017年11月、アムネスティ・インターナショナル発行

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