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Author Archives: 二口芳彗子 Futakuchi Kazuko
排出権? 排出許可証?
前回の内容をうけて、今回は、「排出権」にあたる英語は何か?について整理します。
権利と言うと、rightがまず頭に浮かびますが、英語では決してright という言葉が使われることなく、permitsやallowanceという、排出する側が枠をもらう、という意味の語が使われます。つまり、排出権=emission permits, emission allowance となります。
さて、さらにemission permits を英日で訳出すると「排出許可証」となりますが、現状「排出許可証」と「排出権」は同義とされているため、emission permits をこのふた通りに訳すことができます。しかし、前回もご紹介した通り、「排出権」ということばには、「排出する権利がある」「排出してもよい分」という上から目線のニュアンスがあり、排出量を削減していこうという本来の目標からはずれる、という考え方の人も多いため、アカデミックな文献ではどちらというと「排出許可証」をよく使います。
「排出権取引」が一般的に使われているため、クライアントさまとご相談しながら、訳語を決定しますが、前回と今回の整理から、「排出権」「排出権取引」は2番目のオプションとしてご紹介したほうがよさそうです。
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emissions trading=「排出量取引」

By kevin dooley
今回は、すでに20年以上の歴史を持つ「emissions trading」について、改めて日本語訳を整理したいと思います。
以下はその訳例と、Googleでのヒット件数です。(そのことばが一回でも書かれているとヒットするので、重複もあります。)
「排出量取引」 315,000件、
「排出権取引」 478,000件、
「排出枠取引」 31,400件、
「排出許可証取引」 5,000件、
「排出証取引」 17,600件
こうしてみると、排出量取引、排出権取引が既に市民権を獲得していますね。排出枠取引は、emissions tradingで2つある方式のうちの cap and trading system の訳語とするのが適切かもしれません。
しかしながら、京都議定書や環境省のサイトには、排出量取引とされています。また、東京都も排出量取引制度としています。
京都議定書全文
http://www.env.go.jp/earth/cop3/kaigi/kyoto01.html (和文)
http://unfccc.int/essential_background/kyoto_protocol/items/1678.php (英文)
環境省 国内排出量取引制度
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/det/
東京都 総量削減義務と排出量取引制度
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/large_scale/cap_and_trade/ (和文)
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/en/climate/cap_and_trade.html (英文)
(東京都は、2008年7月、環境確保条例を改正し、日本初の「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」(The Tokyo Cap-and Trade Program)を導入。削減義務は、2010年4月から開始されています。)
実は、「排出権」ということばには、「排出する権利がある」「排出してもよい分」という上から目線のニュアンスがあり、排出量を削減していこうという本来の目標からはずれる、という考え方の人も多く、特に学界ではあえて「排出権」を使わないようにしているためです。
では、「排出権」にあたる英語は何か? それは次回にまとめます。
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「~すること」をどう訳すか?―訳例のご紹介
さて、一週間経ちましたが、先週の練習問題にトライいただけましたか?
(a) 会社の生産性が伸びること。
(b) エネルギー消費量が減ること。
(c) 情報の安全性が高まること。
でしたね。
早速、訳例をご紹介します。
(a) Greater company productivity, Improved company productivity
(b) Reduced energy consumption, Less energy consumption
(c) Increased information security, Improved information security
Greater は、「より大きな」、Improved は「改善された、向上した」の文脈で使えますね。
Less やfewer…
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「~すること」をどう訳すか?―英訳のコツ
コーディネイターとして、ネイティブ翻訳者が訳した英訳をチェックする機会が多いのですが、これって日本人とネイティブの思考回路の違いだよなぁと思うことがあります。それは、「~すること」の処理のしかたです。
次の和文を英訳してみましょう。
従業員の安全性についての懸念が減ること。
みなさんならどう訳しますか?
「減ること」を「Reduction」や「Reducing」として、
Reduction of employee safety concerns
と、「A of B」の形に訳出する方が、案外多いのです。
日本語もきちんと理解しているネイティブや上級英訳者の方が必ずと言っていいほど使うのが「~すること」の部分を、過去分詞や形容詞にして、冒頭に置く手法です。
例えば、上記の訳は、
Fewer employee safety concerns
となります。「減ること」を「より少ない」として、とてもコンパクトになっていますね。
早速、練習問題。
(a) 会社の生産性が伸びること。
(b) エネルギー消費量が減ること。
(c) 情報の安全性が高まること。
次回のブログで英訳例をご紹介しますので、ぜひトライしてみてください。
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マルチフィルム?
先日、農業技術に関する記事で、「マルチフィルム」ということばに出会いました。農業用マルチフィルムとは、調べたところ、ウネの上に雑草の防除や保温・保水、虫除けに使われているシートとのことです。畑にはられている黒いフィルム、ご覧になったことがありませんか? あれです。
マルチときくと、つい「multi 」を思い浮かべてしまうのですが、家庭菜園をされている翻訳者の方から、それは、mulching film のことですよ、と教えていただきました。調べてみると、mulch(根おおいをする)、mulching(土面被覆)とあり、なるほどー、と納得した次第です。と同時に、カタカナの専門用語は要注意!と再認識しました。
最近注目されているのが、生分解性マルチフィルム。
農業用マルチフィルムはこれまで、塩化ビニルやポリエチレンなどの化石資源を原料とし、リサイクルが困難で焼却が禁止され、廃棄が問題となっていて、回収が義務付けられています。また、敷く時や、作物の収穫が終わった後回収する時に労力と手間がかかり、農業従事者の方への大きな負担となっているそうです。
私たちのパートナーNGOであるジャパン・フォー・サステナビリティには、さらにこの生分解性プラスチック(生プラって言うんですね)を速やかに分解する技術に関する情報があります。合わせてご覧くださいね。
農業環境技術研究所 生プラ分解酵素の大量生産に成功
http://www.japanfs.org/ja/pages/031820.html
© Japan for Sustainability
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rolling blackout=「計画停電」
停電はblackout、electrical power outage、power failureなど、いろいろな言い方がありますが、2011年3月11日の震災のはるか前、2003年におこったニューヨークでの大停電の際に、新聞の見出しが一斉にblackoutを使ったことを、印象深く覚えています。
これにrollingが付くと?ですね。rollingといえば、
A rolling stone gathers no moss.
(ころがる石はこけが生えない →むやみな商売替えは損である。 恋の相手を次々変えると真の愛は得られない。活動家はさびがつかない。)
(研究社リーダーズプラスより)
のことわざが有名ですが、この場合のrollingには、輪番制度の、という意味となります。
2011年の夏から冬、節電対策の重要性が高まりましたが、計画停電もその一つです。
確かに不便ですが、前もって停電する時間帯が分かっていれば、対処できる問題が数多くあります。
2012年にそれが必要か、というと現在稼働中の発電施設で十分賄えている状況です。
「予期できない危険、障害」が、最も大きな被害をもたらすのでは、と思うこのごろです。
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Combined Heat and Power (CHP)=「熱電併給システム」
Combined Heat and Power (CHP) は「熱源供給システム」と呼ばれ、エネルギー供給システムの方式のひとつで、熱と電力を同時に供給するシステムのことです。
燃料の熱エネルギーを使ってエンジンを運転し、発電させると同時に、エンジンからの排熱を利用して温水を作るなど、熱の有効利用をします。
燃料の消費を抑えて環境や人体に影響を及ぼす炭酸ガス・窒素酸化物などの発生量を少なくすることができ、また、施設内で発電できるため、系統電源からの電力量を押さえるのと同時に、排熱利用を行うので、その分節約にもつながります。
例えば、発生した熱をそのまま排出してしまう既存の火力発電所の熱効率は約40%ですが、コジェネレーションの場合には80%以上の熱効率が理論的には可能です。その廃熱は給湯や暖房などに利用され、石油や天然ガスなどの「一次エネルギー」の消費を半分近くまで抑えることができます。
欧米では一般にCHP(Combined Heat Power)と呼ばれますが、日本で浸透しているコージェネレーション(Cogeneration)という呼び方も一般化しつつあります。短く「コジェネ」とも呼ばれていますね。
英訳に際しては、コジェネレーション/熱源供給システムをCombined Heat Power (CHP) と訳し、和訳に際しては、Combined Heat Power (CHP)を、熱源供給システム(コジェネレーション)と訳出するのが、現状に即しているようです。
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WGBC Government Leadership Awards
Photo by Greg Hayter
2011年の12月、東京都が世界グリーンビルディング協会(WGBC)から「ガバメントリーダーシップ賞」を受賞しました。サンフランシスコ市(米国)、メキシコシティ市(メキシコ)、バーミンガム市(英国)、シンガポール、ニューヨーク市(米国)も同時に受賞したとのことです。
東京都プレスリリース
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/12/20lc6200.htm
東京都の受賞は、「都のキャップアンドトレード制度が、世界で初めてオフィスビルを対象とし、1,300以上もの事業所をカバーすることで、建築物からの大幅なCO2排出削減に取り組んでいることが『最も画期的な政策』として評価された」とあります。
World Green Building Council Government Leadership Awards—Excellence for Green City Building(下の文書)の14-15ページに、キャップ&トレード制度を含む東京都の取り組みに対する評価があります。
エコネットワークスでは、2010年『東京における気候変動対策の成果と展開』の英語版制作をお手伝いいたしました。
東京における気候変動対策の成果と展開
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/03/20k3vb00.htm
Tokyo Climate Change Strategy : Progress Report and Future Vision (英語版)
…
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「環境に配慮した」をどう訳すか?
環境に配慮した~、とある場合、まずどんな英語が浮かびますか? environment-friendly, あるいは environmentally friendly が一般的ですね。さらに短く eco-friendly も。
その他に比較的新しい表現として、environmentally responsible も使われます。以下のWWF UKのサイトでもEnvironmentally responsible corks という風に使われていました。http://bit.ly/AzSADW
こちら↓のWWF New Zeal Landのサイトでは、environmentally friendly car (Toyota), environmentally responsible paper (Spicers Paper) とありますね。
http://www.wwf.org.nz/about_us/business_partners/our_sponsors/
さらにenvironmentally conscious という、こちらも比較的新しいフレーズもあります。しかしネイティブ翻訳者に聞いたところ、environmentally conscious paper は、違和感があるそうです。environmentally conscious の後ろは、人や人が行うことならばしっくりくるとのことでした。調べてみると確かに、environmentally conscious consumer、environmentally conscious…
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HCVF: High Conservation Value Forests=「保護価値の高い森林」
by U. S. Fish and Wildlife Service – Northeast Region
森林は、炭素固定、水源の保護、土壌浸食制御などたくさんの機能があるほか、動植物そして人間にとっても大切な生息地ですが、なかでもとりわけ「保護価値の高い森林(HCVF)」が定義され、保護活動が行われています。
HCVFの定義は英語、日本語の両方で見ることができます。英語では、
The GFTN Guide to Legal and Responsible Sourcing http://sourcing.gftn.panda.org/ の以下のページに詳しく説明があります。 http://sourcing.gftn.panda.org/index.php?id=59
これは、2003年にWWFとIKEAが協力した森林プロジェクト ProForestが発表したツール The High Conservation Value Forest Toolkitに原型を見ることができます。
http://www.proforest.net/objects/publications/HCVF/hcvf-toolkit-part-1-final.pdf
日本語では、WWFの活動を紹介するページに掲載されています。日英対照で確認することができるので、森林保護に関する翻訳の参考になりますね。
http://www.wwf.or.jp/activities/2009/09/701514.html
基本用:森林保護 forest conservation
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