気候対策:残された道は「ソフトランディング」

2019 / 7 / 29 | 執筆者:山本 香 Kaori Yamamoto


災害級の暑さや豪雨など多くの異常気象に見舞われた昨年の夏。

今までとは明らかに何かが違い、この先どうなるのだろうと不安を覚えました。
気候変動や異常気象が叫ばれるようになって久しいですが、私たちは正しい方向に向かっているのでしょうか。

昨年11月のThe Japan Timesの記事にある一文が厳しい現実を伝えています:
Just as in a financial crisis, the answer is that they will be sooner or later, but that the choice will be between a hard landing of death and destruction and a soft landing rested on timely climate action.
(試訳:金融危機の場合と同じように、遅かれ早かれ、それ(より大きな被害が起きるという科学的予測)は現実になる。選択すべきは、死や破滅といったハードランディングか適切な気候対策によるソフトランディングかだ)

残念ながら、気候変動の影響が今より大きな被害を生むことは避けられない。そのことを前提として、何も手を打たず「死」や「破滅」に至るのをただ待つのか、あらゆる手を打ち、可能な限り被害を抑えようとするのか。

今や、私たちに残された道は「ソフトランディング」しかありません。では、そのカギを握る気候対策はどこまで進んでいるのでしょうか。

一つの指標として、今年6月に発表されたSustainable Development Report 2019を見ると、エグゼクティブ・サマリーに次のように書かれています:
Trends on climate (SDG 13) and biodiversity (SDG 14 and SDG 15) are alarming. ・・・(中略)・・・Trends on greenhouse gas emissions and, even more so, on threatened species are moving in the wrong direction.
(試訳:気候と生物多様性に関する動きは危機的状況にある。・・・(中略)・・・温室効果ガス排出量、さらに絶滅の恐れのある種に関しては悪化傾向にある)

気候変動の影響が分かりやすい形で現れているにもかかわらず、適切な気候対策が取られなければ未来はないと分かっているにもかかわらず、なおもブレーキをかけられないでいるのが現状のようです。

今回ご紹介した英文の中には、death, destruction, alarmingなど強い危機感を伝える表現がいくつか含まれていますが、それが紛れもなく差し迫った事実であることを受け入れるべき時にきているのかもしれません。

こちらの記事でもご紹介したとおり、翻訳者として、状況の変化を的確に捉えて率直に伝える覚悟を新たにするとともに、それがより良い未来に向かう小さな力になると信じて日々の業務に向き合っていこうと思います。

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