情報のアクセシビリティ

2019 / 6 / 2 | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi

先月のブログで、UNEPの国際会議でペーパーレス化が進んでいることをご紹介しました。サイトに公開されているように、1点を除きすべての資料がPDFとワード文書の両方で提供されています。

PDFだけでなくワード文書でも提供されているのを目にしたとき、実は驚きました。その数日前に地元の金沢で参加したSDGsカフェで、情報を認識して合成音声で読み上げる「テキストリーダー」に対応できるように、国際会議ではPDFとワードの両方でデータを提供するのが一般的、と聞いたばかりだったからです。

スピーカーのお一人、堤 敦朗 さん(金沢大学准教授、EMPOWER Project KANAZAWA主宰)は元WHO・国連職員。国連本部の会議では、専門家として会議に出席する当事者の方のために、多言語の手話通訳が付く、議論の内容を速記してプロジェクターに映し出すといったことも、当然のこととして主催者側が準備するそうです。

金沢大学でも教授会や他の会議は、環境への配慮からペーパーレスに変わっていっているが、やはりまだPDF。もっと人への意識も必要、とのこと。また、同学では耳の聞こえにくい学生もいるので、教員は首に特別なマイクをかけ、その学生は専用のイヤホンで聴くということも普通に行われている、と大学での取り組みもご紹介くださいました。

堤さんのお話から、情報を開示すればOKではなく、より多くの方に届けるためにそれぞれの状況を想定して必要な開示方法を考える必要があると感じました。例えば災害時、正確な情報にアクセスできなければ命に関わります。情報にアクセスできること(アクセシビリティ)も非常に重要な人権。堤さんのこの一言に、カフェの参加者も大きくうなづいていました。

仕事柄これまで「何を」「どんな言語・表現で」について考えることがほとんどで、「どのように届けるか」についてそれほど深く考えたことがありませんでした。自分の知識や関心を断片的なものにしないためにも、そして情報の発信をお手伝いする立場としても、しっかりと追いかけたいテーマです。

* * * * * * * * * *
当日のSDGsカフェの報告はこちらです。
【開催報告】 SDGsカフェ#2 「Civic Techと誰も取り残さない情報アクセス」
(国連大学サステイナビリティ高等研究所 いしかわ・かなざわオペレーティングユニット、UNU-IAS OUIK)

このエントリーをはてなブックマークに追加

翻訳トレーニング講座 受講者募集中!

環境やサステナビリティの分野を専門とする翻訳を志す方の成長をサポートする翻訳講座「サステナビリティ翻訳トレーニング」。実際にご依頼いただくことの多い報告書や資料に類似する内容を課題とし、受講者の方のレベルアップにプロ翻訳者でもある講師が伴走します。
※ 受講のお申し込み受付を終了しました(2018/10/31)。

言葉にまつわるエトセトラを募集中!

この単語の訳にいつも頭を悩ませる……よりよい英語表現が知りたい……
このブログで取り上げてほしいワードがあればこちらよりご連絡ください。

お名前
メールアドレス
取り上げてほしいワードなど

* 内容についてお問い合わせをする場合があります
* すべてへのお答えをお約束するものではありません
* CSR、サステナビリティ分野の内容を優先します

プライバシーポリシーに同意する