廃プラ輸出に制限 国際社会として、市民として

2019 / 5 / 14 | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi

スイスジュネーブでの国連環境計画(UNEP)の会議で5月10日、180カ国近くがプラスチック廃棄物の輸出を制限するバーゼル条約(Basel Convention)の改正案に合意しました。これによりリサイクル資源としての汚れた廃プラは、輸入国政府の同意(prior informed consent)がなければ輸出できなくなります。

2021年1月の発効に向けて、日本を含む約180のバーゼル条約締約国は、国内でのリサイクル量を大幅に増やすと同時に、廃プラの排出量そのものを削減する努力を強化する必要があります。

現在、推定1億トンのプラスチック廃棄物が海中で発見されており、海洋への不法投棄を主な原因とするこの海洋汚染は国内外でも大きな問題となっています。この改正案合意は、法規制により解決を促そうという動きです。

今回同時に、この施策の実施を支援するため、政府、企業、学界、市民社会(NGOやNPO)による Partnership on Plastic Waste が新たに設立され、ツールや成功事例を共有したり、技術面および財政面での支援を行います。環境問題の解決に向けて様々なステークホルダーの協働が重要との認識が定着していることが伺えます。これも持続可能な開発目標(SDGs)の効果でしょう。

一方で、ごみ問題は私たちにとっても身近な問題。国際会議の舞台裏で、私たちと同じ目線で、下記のような取り組みが行われていました。
1. Climate neutrality
ジュネーブで開催される国際会議に参加するための移動で発生するCO2のカーボンオフセット(そのための国連のプラットフォームもあります)

2. Reducing waste
会議場でのケータリングサービスで、容器やサンドイッチの包装、カトラリーやカップにプラスチックを使わない。カフェテリアでのマイボトルやマイカップ利用を奨励

3. Paperless meetings
紙の資料は配布しない。ラップトップやタブレット端末で閲覧できるように、すべてデータで開示

特に、議論となっているプラごみの削減に取り組んでいたり、大きな会議でペーパレス化が進んでいるのはうれしい発見でした。問題の解決に向けて、多面的な努力が必要とのメッセージが発信されている良い事例です。

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Basel Convention: 正式名はBasel Convention on the Control of Transboundary Movements of Hazardous Wastes and their Disposal(有害廃棄物の越境移動およびその処分の管理に関するバーゼル条約)

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