機械翻訳との付き合い方

2019 / 3 / 18 | 執筆者:EcoNetworks

以前、個人として日英翻訳の校正を引き受けたら、英訳文が機械翻訳だったことがあります。
文によっては、違和感のないレベルに訳されていたので、すぐに気付きませんでしたが、
文章としてもはや成り立っていない不可解な文が入り混ざっていたので、
後で事情を聞いてなるほどと思いました。

機械翻訳を使用してみるのもいいと思いますが、
外部向けの文書や、読み物としての要素があるものは、
やはり最初から人が訳した方がよいと、少なくとも今のところ私は思っています。

読みやすさや表現力などの芸術面については、機械より人間の方が得意な分野といえますが、
人が訳すメリットはそれだけではありません。

特に専門的な内容の場合、用語のリサーチは、
複数の資料から訳語の裏付けを取る、時間と根気のいる作業です。
私の経験では、機械翻訳は的確な訳語を選んでいないことも多く誤訳が散見されました。

また、一度機械で翻訳した文を人間が校正するポストエディットと呼ばれる作業は、
一から訳すより難しい上に、その訳を活かそうとするとあまりいい訳に
仕上がらないこともあります。納期短縮にも結果的にはつながらないと考えます。

機械翻訳は、どんな内容が書かれているのかという、
ごく大まかな内容を理解するのには有用だと思います。
また、内部文書であれば役に立つシーンもありそうですが、あくまでも

「文の単位で訳す。文書全体の文脈や整合性は考慮しない(できない)」
「同じ単語でも同じ訳語とするとは限らない(例えばplantを植物/工場と訳すなど)」

という機械翻訳の性質を理解したうえで使用すべきです。
全体を丁寧に見直す作業は絶対に欠かせません。

予算の関係で、翻訳会社やプロの翻訳者に翻訳を依頼できないケースは、
日常でもよく耳にします。その中には、お金をかけてでも質の高い翻訳に仕上げて、
世界の多くの人に読んでもらいたいと思うような情報が埋もれています。

理想論ではありますが、大きな視点でその必要性を見極めてほしい、
そして自分も、大切な情報を質の高い訳文で人々に届けられるよう、
翻訳という仕事に真摯に携わっていきたいと思っています。

(翻訳者、翻訳コーディネーター/ Yasuko Sato)

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