SDGsの取り組み:クリスチャン・ハンセン

2019 / 2 / 25 | 執筆者:山本 香 Kaori Yamamoto

Let’s grow our future. Naturally. by CHR HANSEN

今年もカナダCorporate Knights社によるGlobal 100(世界で最もサステナブルな企業100社)が発表されました。

評価手法が変更されたことも影響して昨年から上位企業が大きく入れ替わるなか、1位に選ばれたのは、プロバイオティクスの分野を強みとするデンマークのバイオサイエンス企業「クリスチャン・ハンセン」。

同社は、自社のパーパスを以下のとおり宣言しています:

Our purpose is to deliver natural innovative solutions that address global challenges by advancing food, health and productivity.
「私たちのパーパスは、食、健康、生産性を向上させることにより、世界の課題に対処する自然で革新的なソリューションを提供することです」(試訳)

このパーパスのもと、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を軸にサステナビリティへの取り組みを進めており、実に収益の82%がSDGsへの貢献に当てられています。今回のランキングでもその点が高く評価されました。

具体的な取り組みについては、レポート『Let’s grow our future. Naturally.』(こちらよりダウンロード可)に詳しく解説されていますが、その中で印象的だった点をいくつかご紹介します。

・目標だけでなくターゲットまで分析

同社は、自社の事業が最もインパクトを及ぼす領域として、SDGsのうち、目標2(飢餓をゼロに)、目標3(すべての人に健康と福祉を)、目標12(つくる責任つかう責任)を特定しています。

ここまでは多くの企業がすでにやっていることですが、同社のように、各目標のターゲットまで詳細に分析している企業はそれほど多くないように思います。

例えば、目標12については、ターゲットを12.3(食品廃棄物の半減)と12.4(ライフサイクルを通じた化学物質や廃棄物の管理)に絞った上で、「2020年までにヨーグルトの廃棄量を70万トン削減する」という具体的な目標を掲げています。

・第三者による保証

クリスチャン・ハンセンのSDGsへの取り組み方法やプロセスについては、企業の監査やアシュアランスを行うPwCが国際ガイドライン「ISAE3000」に基づいて保証を実施しています。

SDGsの具体的な取り組みについては各企業に委ねられている部分も多い中、自発的にここまで徹底した取り組みを行っている企業もやはり多くないのではないでしょうか。

 

SDGsが採択されてから3年以上が経ちましたが、PwCの調査によると、72%の企業がSDGsについてレポート等で触れている一方、SDGsに関連づけてKPIや企業としての目標を開示している企業は23%となっていて、SDGsへのコミットメントを行動に落とし込めていないのがまだ実状のようです。

クリスチャン・ハンセンの取り組みからは、もう一歩先に進むためのヒントを読み取ることができそうです。

同社のSDGsへの取り組みに関するウェブページはこう締めくくられています。

Let’s do more than envision a sustainable future. Let’s create one.
「サステナブルな未来を思い描くだけではなく、創り上げよう」(試訳)

2030年に向けて、SDGsについて語るだけではなく、具体的な行動を起こす時期にきているのかもしれません。

 

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