AI時代の到来とジェンダー

2019 / 1 / 30 | 執筆者:Yukiko Mizuno

先日のブログで、世界経済フォーラム(World Economic Forum)の『グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書』について紹介しました。

2018年版の報告書では、人工知能(AI)関連の技能に関するジェンダーギャップについても取り上げています。世界でAI分野の専門職に従事する女性は22%(男性78%)。この割合はこの数年、変化していません。現状から心配される影響として、報告書では以下の3点を挙げています。

1. AI関連技能の需要が今後ますます高まっていく中で、そうした技能の男女格差は、経済活動への参加とその機会の格差を助長する可能性がある。
2. 幅広い分野での応用が期待されるAI技術の開発が、人材の多様性を欠いた状態で進んでいる。
3. AI分野は適格な労働力が不足しているのにも関わらず、女性を人材として十分に活用できていないのは、重大な機会損失である。

このうち2点目の、AI技術の開発における人材の多様性については、機械学習を主導する研究者に占める女性の割合はわずか12%という調査結果もあります。男性の倫理感や価値観に偏った形で技術開発が進む可能性が危惧されています。

AIの活用が進むにつれて多様性やジェンダーの問題が指摘される例も多くなってきました。例えば、日本で開発された受付嬢ロボットがジェンダー偏見を助長するという指摘があります。人工知能による画像の識別が性別や肌の色によって大きく変ってしまう例も指摘されています。

AI Will Change the World.
Who Will Change AI?

これは米国の非営利団体AI4ALLのウェブサイトの言葉です。AI4ALLにはスタンフォード大学やカリフォルニア大学バークレー校などの複数の大学が参加し、特に女性やマイノリティー、低所得層の高校生がこの分野に触れる機会を提供することを目的として、AIの教育プログラムを実施しています。

生活のあらゆる場面に浸透し、世界を変えていくであろうAIだからこそ、偏見がなく閉鎖的でない技術に育てていかなくてはなりません。そのためには多様な人材が開発に関わることが重要です。消費者の立場から、技術そのものだけでなく、開発プロセスにも注目していきたいと思います。

このエントリーをはてなブックマークに追加

翻訳トレーニング講座 受講者募集中!

環境やサステナビリティの分野を専門とする翻訳を志す方の成長をサポートする翻訳講座「サステナビリティ翻訳トレーニング」。実際にご依頼いただくことの多い報告書や資料に類似する内容を課題とし、受講者の方のレベルアップにプロ翻訳者でもある講師が伴走します。
※ 受講のお申し込み受付を終了しました(2018/10/31)。

言葉にまつわるエトセトラを募集中!

この単語の訳にいつも頭を悩ませる……よりよい英語表現が知りたい……
このブログで取り上げてほしいワードがあればこちらよりご連絡ください。

お名前
メールアドレス
取り上げてほしいワードなど

* 内容についてお問い合わせをする場合があります
* すべてへのお答えをお約束するものではありません
* CSR、サステナビリティ分野の内容を優先します

プライバシーポリシーに同意する