市民社会と政府が対話するC20

2018 / 10 / 5 | 執筆者:EcoNetworks

2018年8月、アルゼンチンで開催されたG20サミット首脳会議に伴い開催されたC20。
市民社会と政府の対話に向けて、世界の600以上の市民社会組織(CSO)が参加する
市民社会の国際会議です。

代表や運営委員会、諮問委員会の下、「教育・雇用・包摂」「環境・気候・エネルギー」
「国際金融アーキテクチャ」「投資とインフラ」 「ジェンダー」 「腐敗防止」
「ローカルからグローバルへ」「世界の健康」の8つのワーキンググループに分かれて議論。
その内容は、政策への提言「C20 2018 Policy Pack」にまとめられています。


C20 2018 Policy Pack

policy packの各章は、まず最初にG20のコミットメントを記載し、
それに関する課題を指摘して、市民社会からの提言を述べる構成になっています。

具体的に「国際金融アーキテクチャ」の章を見ていくと、「課税と不平等」の段落では、

国際的な金融システムや課税システムはこれまでのところ、国家間および国内における不平等
の拡大という、人類が直面している中心的な問題を解決できていない。この失敗は、現在、
グローバリゼーションと民主主義との対立が進んでいることの引き金となり、ひいてはブレグ
ジット(英国のEU離脱)やトランプ米国大統領誕生のような、選挙による衝撃的な出来事を
もたらした。電子化は、国際課税システムの根本にある欠陥を悪化させ、さらに、世界規模で
サービスを提供するような多国籍企業による租税回避を容易にした。
BEPS報告書に基づく提案は、既存のルールを応急的に修正したものの、G20が2013年に
打ち出した目標――多国籍企業は「経済活動が行われ、価値が創出される場所で」確実に課税
されるべきである――は実現されなかった。また、課税システムはジェンダー・ニュートラル
ではない(性差がある)ことを裏付ける証拠も増えている。(ENW仮訳)

といったように、課題を鋭くかつ具体的に指摘し、課税システムでの性差という根深い
問題にも言及しています。

私が特に関心を持ったのは、C20の提言が具体的で実現可能性の高い解決策であることです。

すべての法的媒体(企業、パートナーシップ、信託、財団など)を対象に実質的所有者の
登録制度を構築し、オープンデータ形式でオンラインで無料公開できるようにすることや、
危険な短期的投機を抑制するために、自国および複数の法域での金融取引税(FTT)を
導入し、持続可能な社会を構築するために必要な公的財源を確保するなど、
透明性を高めながら、健全な資金のフローを描いています。

答えは当事者=市民の中にある。
そんな思いを強くします。

2019年のG20サミット首脳会議は、大阪で開催されることが決定しています。
C20の運営委員会やglobal healthワーキンググループに、日本人の名前もあり、
日本での開催に向けての取り組みが進んでいることが伺えます。

G20と市民を代表するC20が対等の立場で、建設的で誠実な対話を進めることを期待します。

—————————————–
BEPS (Base Erosion and Profit Shifting)
税源浸食と利益移転。多国籍企業がその課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行っている問題。
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kokusai/beps/index.htm

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